<優しくって少し ばか -be sweet to a fault-  原田 宗典  集英社文庫>

 

  

総合評価 ★★★★

完成 ★★★★

創造 ★★

残留 ★★★

衝撃 ★★★

価値 ★★★

鋭敏 ★★

 

友達から貰っ読み始めた原田氏の最初の本。

6編からなる短編小説集で、男女間の関係を綴ったような小説。

「優しくって少し ばか」、「西洋風林檎ワイン煮」、「雑司ヶ谷へ」

「海へ行こう、と男は」「ポール・ニザンを残して」、「テーブルの上の過去」

 

その中でもタイトルにもなってる「優しくって少し ばか」が好きでちょっと憧れた。

つき合っている社会人カップルが朝目を覚ますところから始まるんだけど二人とも風邪を引いて、

熱を出してるって場面で、熱の性もあってボケボケな会話だったり・真面目な会話だったり。

作者が男なので、基本的に物語の男の視点なんだけど、妙にウンウンと納得できる場面や考え方、仕草が多くて。

なんか、こんなシチュエーションを味わってみたなーと>恋人と二人で熱だしてベッドの上(笑)。

 

後は「ポール・ニザンを残して」は大人っぽい会話に、ミステリーを混ぜた感じでいい感じ。

「西洋風林檎ワイン煮」もちょっと不気味な感じがするストーリー、これもちょっとミステリアスだね。

「海へ行こう、と男は」、「雑司ヶ谷へ」は怖いと言うか、読んでいてあまりいい感じがしなかった。

 

「テーブルの上の過去」ってのはカードの占いの話。占いとかの類はあまり信じない方なので

あまり興味のある話ではなかったけど。

 

全体的に見れば、現実的な話と、幻想的な話と半々で2度美味しい。

エッセイと小説が合体したような感じかな?

 


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