<魔剣天翔 -Cockpit on Knife Edge- 森 博嗣 講談社>
Vシリーズ第5作目。 2人乗り飛行機の後部座席にいたパイロットが、 アクロバット飛行中に銃で撃たれて死亡。 前部座席の女性記者が犯人なのか?という極めて限られた条件の下で起きた事件。 いつもと違うのは、事件の表と裏の両方から事件対してアクセスしているという点。 S&Mシリーズの「夏のレプリカ」に近いかな?
著者の趣味である飛行機の描写と言うこともあって細かいです。 「スカイ・クロラ」の方を先に読んでいたので、逆にそれが予備知識になって案外すんなりのめり込めたし。 この作品の方がとっても親切ですね説明が、コンピュータ関係の時にはほとんど説明無しで、 わかる人はわかればいいというスタンスだったと思うのですが、読者に対してサービスなのか ただ飛行機が好きだからでしょうか?
今回は保呂草とその依頼人との会話がテンポがよくていいですね。 そしてキーポイントある飛行機と魔剣なのですが、飛行機はもうストーリーのど真ん中に来ているのに たいして、魔剣の存在が自体がすごく薄かったような・・。 それから、ダイイング・メッセージに関してはちょっとどうだろう?と言う疑問だけが残った。 人が死ぬ一瞬に考えられる事なんてそれほど複雑にはならないようなきがする、まして普通の人間が 普通に考えてわからないようなダイイング・メッセージなら尚更だ、と言うよりそれがダイイング・メッセージ だと気づかないのであればもっと酷い、不満だったのはここだけ。
最後の方はやや全体的にぼかした表現になってるなー親切だったり不親切だったり。 実はちょっと気になる部分もあるんだけどなー。
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