<イエスの遺伝子 -THE MIRACLE STRAIN- マイクル・コーディー 徳間書店>

 

 

総合評価 ★★★★

完成 ★★★★

創造 ★★★★★

残留 ★★★★

衝撃 ★★★★

価値 ★★★★

鋭敏 ★★★★

 

これが作者にとって処女作ですね。

出版前から大きな話題になり、本を出版前からすでにミリオネアなったというとんでもない著者なのだ。

 

物語は2002年のアメリカで天才的遺伝子学者が人間の設計図である遺伝子の内容をすべて解読

する画期的な装置を発明、開発する。

その装置を使い一人娘の遺伝子を解析すると彼女は脳腫瘍を発病しあと1年の命となることが判明。

 

天才遺伝子学者はあらゆる方法で娘の命を救うために道を探し、

最後にたどり着いたのは奇跡の治癒能力を持つイエス・キリストの遺伝子の謎を解くことだった。

迫り来る娘の死と神の遺伝子の解読・・・驚異のサイエンススリラー。

 

鈴木光司、瀬名秀明氏の作品などでサイエンス部門の免疫が出来ていたからか、

抵抗無くのめり込めた、とても新人作家の作品とは思えない。

宗教に化学をミックスするという奇抜な発想。

前半部分は多少読みにくい部分があるかもしれないが、膨大な知識をもとに書かれた

この本は妙に現実味を帯びている部分がまた興味をそそり、

非現実的部分が映画的要素を作り巧く演出している。

 

バックグランドとしての科学的根拠があるからこそこの本の本質が上手く生きて

全体的にまとまったいい作品になっているのだろう。

 

最後の部分はちょっとドタバタ劇になってしまってガッカリかな?

急に科学的な部分が欠如してしまい、残念。


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