<魍魎の匣   京極 夏彦  講談社>



総合評価 ★★★★★

完成 ★★★★★

創造 ★★★★★

残留 ★★★★

衝撃 ★★★★★

価値 ★★★★★

鋭敏 ★★★★★



京極堂シリーズ2作目、妖怪小説として定着し渾身の作品だ。

いや〜これもやっぱり面白い・・・・とか言うよりも最初に言いたくなったのは

なんでこんなに厚いんだ!この本分厚すぎです!

1作目の「姑獲鳥の夏」でさえそれなりの読み応えを感じたのにさらに1.5倍の厚さだ。

 

物語の構成は「姑獲鳥の夏」よりもシンプルかも知れない。

結論がでればやっぱりね、という感じだろう。

確かに大筋の部分での予想はそれなりに解るのだが、細部にいたっては少し難しい。

相変わらず複数の伏線を張り巡らしてある。

 

量が1.5倍にったが、しかし密度は薄まることはなく前回と同じだ。

あいかわらず京極堂の蘊蓄も健在だ。

 

魍魎と言う「よくわくらないもの」「曖昧」などのキーワードと

「匣(箱)」というモチーフを巧みに使い全てを包み込み構成。

この小説を読むことにより読者にも魍魎が取り付き、そして読む切った時点で憑き物は落ちる。

 

作中に登場する「匣の中の娘」を部分部分で挿入し物語り全体を引き立てている。

 

 

京極堂シリーズの中でもわりと人気のある作品。

 


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