<狂骨の夢 京極 夏彦 講談社> 完成 ★★★★ 創造 ★★★★ 残留 ★★★ 衝撃 ★★★ 価値 ★★★★ 鋭敏 ★★★ 面白いんです、えぇ面白いんですがちょっと不満があったようなきがします。 もちろんそれは京極氏の作品だからこそであって、この本自体が高いクオリティーを もているの間違いないのです。 この不満がどこから来るのかというともちろん京極氏の前作「姑獲鳥の夏」「魍魎の匣」の あまりにも面白すぎた作品のせいでもあります。 読者はわがままなものでより面白い物語を期待してしまったのです。 そして作品の構成にちょっと問題があったかな? 前2作の全体構成からこの作品の構成はこうかな?なんて容易に想像できてしまい またそれが当たってしまい〜ちょっとガッカリだったり。 つまり京極氏に騙されたいのかもしれない。 複数ある事件自体は複雑に絡み合っていて多少混乱気味になるかも知れない。 前作に比べて「狂骨」のもつキーワードが全体的に薄まっていた感じはある。 京極堂の蘊蓄も健在で、前半部分で登場がなかった事も手伝って後半はいっきに まくし立てると言った感じだ。 にしても宗教知識が深すぎるのもまたどうなのだろう・・・。 登場人物も徐々に増え、益々個性的に濃い物語は健在。 もはや妖怪シリーズからは抜け出せそうもない。
京極堂シリーズ3作目。