<捩れ屋敷の利鈍  -The riddle in Torsional Nest-  森 博嗣 講談社>



総合評価 ★★★★

完成 ★★★

創造 ★★★

残留 ★★★

衝撃 ★★★

価値 ★★★

鋭敏 ★★★★★



談社ノベルス20周年を記念したメフィスト賞作家による「密室本」となっており、

本事体が紙に包まれて密室になっているという凝った構造になっておりましす。

立ち読み防止ですね(違うか)。

 

Vシリーズ8作目なのですが、登場人物はS&MシリーズとVシリーズを微妙に

交差させたような感じになっていますね、メビウスの帯のように変に捻れて。

つまり、異色の作品です。

 

道楽で作られたユニークな屋敷が登場し、屋敷マニアにはたまらないものがあるかもしれないが、

どうもこのメビウスの帯を模して作られた「捩れ屋敷」は内部の関して言えばおおかた想像は

出来たのだけど、いまいち外観をイメージしきれなくて困った。

あとは 捩れ屋敷内の鍵の構造が読んでいて混乱してしまった。

 

 

ミステリとしてはページ数が少ないためか、余分な部分を削れるだけ削り、

かなりシャープな仕上がりになっている・・・余分な会話を楽しむ人としては物足りない。

保呂草vs西之園の会話はわりと面白かったような気がする。 

  

なんかでも、話が終わりに近づいているなと言う感じが伝わってくる。

S&Mシリーズの人間とVシリーズの関わりや、保呂草や瀬在丸の素性なども

凄い気になる・・・・。


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