<恋恋蓮歩の演習 -A Sea of Deceits- 森 博嗣 講談社>
Vシリーズ6作目。
今回は保呂草さん中心の話でした。 非常にわかりやすい作品だったと思います(いろんな意味で)。 事件が豪華客船の中で起るというのもこれ以上にないってぐらい安易ですが。
事件としてはとても大げさな物ではなく、コンパクトに纏まっていますね。 前半部分ではなかなか事件らしい事件も起きず、坦々と進み、 登場人物がみんなで船に乗ってからスタート。 物語の範囲がとても狭かったので事件の概要については途中で大方わかってしまうかも知れません。 ちょっと前半部分でわかりやすい伏線を張りすぎたかも知れません。
人や物が消える消失トリックではよくあるパターンだとは思ったけどね。 話の組み方が少し露骨だったような気もするしね。 物語の進行に関しては船の中ではちょっと何もかも都合のいいように作られていて、そこはちょっと残念。 普通であればもっとトラブルが発生しても良さそうだよね。
ただ、読んでいてわりと楽しかったね、途中で全体の構造に気が付いたから? あとは、豪華客船に乗ったことがないからかいまいち、風景がうまくイメージ出来なくて苦戦しました。
今まで森氏が出してきたシリーズの中でも一番事件性が薄い作品でもあったかな。 あと、読み終わってもタイトルの意味が全然わかりません(笑)。
|