森 博嗣 & 京極 夏彦---------理系
まさに理系と文系に両極にあるようなお二人の作品だが、内容の構造体においては
ふたりとも理系であると考えていいと思う、仕上の仕様で作風が変わって見えるだけだ。
どちらのミステリーもトリックという部分ではとても単純明快だ特段面白い物ではないと思うの
だが、私の場合はこの二人の作品の魅力はそれ以外にウエイトがある。
森氏の場合は理系の専門知識が数多く出てきてとても面白いし、一般論的な部分でも
とても共感の持てる考え方が多い、会話シーンは洒落がきいていて個人的に好み。
また読者に対するサービス(仕事だが)も憎い。
京極氏の場合は登場人物に強烈な個性があり、ごく普通の会話シーンですら面白い。
また京極堂シリーズの主人公の蘊蓄も難しいものもあるが、理にかなったものが多い。
物事の解決手法である、解体と再構築にはいつもやられる。
同じ理系だからか共感できる部分が多いのが好きな理由だ。
とにかくレベルの高い(?)会話がポイントだ。
ミステリー小説に奇抜なトリックや新しいトリックを求める人には不向きな作家である。
原田 宗典 & 椎名 誠---------文系
文系という枠組みにまず属するのか?と言う問題はあるがここではそう扱おう。
この二人の場合は文書で説明するのが難しいのだが、お二人の作品は親しみがある。
主に小説やエッセイ関係を中心に執筆している。
すべてではないが小説にしても生活感のあるものがおおいのだ。
ちょっとした、憧れすら憶えてしまうケースがある、こんな場面に遭遇したいという
ようなとても現実味のある(例外あり)話で好印象。
原田氏は文章表現とその発想力、椎名氏はその行動力と観察力。
自分とは年代も違うし、生きてきた課程も違う、ただそんななかでも近さを感じる。
とにかくレベルの低く(?)笑える会話もポイントだ。
理論的ではないけどだから好き。