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- 新聞掲載記事 |
検証 成長のシナリオ インターネット接続サービスを手がけるグローパルメディアオンライン(GMO 9449)がシェア拡大から利益重視へと軸足を移している。二〇〇一年十二月期は積極的な企業の合併・買収(M&A)を実施五社を傘下におさめたが、費用増などから一億千万円の連結最終赤字に転落した。今期はコスト削減を進め、黒字転換を狙う。 Q2サービス中止 同社は前期の売上の約四割をプロバイダーの事業で占める。登録者数は前期末で十二万二千人。一年前に比べて五%増にとどまり大手との価格競争などから会員数は頭打ちだ。「今後も登録件数を増やすのは難しい」(熊谷社長)とみて、まずプロバイダー事業のテコ入れに取り組んでいる。 |
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その一つが創業事業であるダイヤルQ2を使った接続サービスの中止だ。ダイヤルQ2の利用方法が変更になり、コスト増が見込まれることから今年一月にサービスを打ち切った。設備費を削減する為自社回線もレンタル回線に変更。今期はプロバイダー事業で約三億円の収益改善を図る。 広告事業を再編 再編後はM&Sがメール広告管理と配信を、グループ会社でナスダックジャパンに上場する、まぐクリックが営業を担当する。前期はまぐクリックの不振もあり、メール広告は四億円の営業赤字だった。今期は子会社の再編に加え、ネット企業ガーラの事業も買収。「オプトインメールの拡充で大幅な増収が見込める」(姫路芳宏取締役)として黒字転換を見込む。 二社を買収したデータセンター事業は三月末で顧客数が六万七千件と、二位のイーストアー(二万件)に大差を付けてトップになった。激しい価格競争のなか、スケールメリットを生かして順調に顧客を獲得しているもようだ。 合理化余地残る データセンターの主な顧客である中小企業は情報化技術(IT)化投資を抑制しているうえ、プロバイダー事業も会員数が増えない現状では利益の上乗せが見込みにくい。メール広告を今後の収益の柱と位置づけるが、オプトインメールで先発のエルゴ・ブレインズに比べて「一会員数あたりの売上高が半分程度」(長谷部氏)との見方もある。 合理化の余地も残る。データセンターやメール広告はM&A以前のサービスを未だに多く抱えており、効率化を進めるにはこれらの整理は避けて通れない。 M&Aで規模拡大を追及してきたGMOだが、収益力を伴う成長を目指すには、一層の合理化とメール広告での営業力・商品力の強化という二つの課題をこなしていくことが条件となる。 |
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