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 - 新聞掲載記事
 

中小向けレンタルサーバー
収益安定へ買収・合併

「規模が小さくては競争に勝てない。我々と手を組みましょう」−。
グローパルメデイアオンライン(GMO)の熊谷正寿社長は二○○○年以降、同業のレンタルサーパー事業者に対してM&A(企業の合併・買収)による規模の拡大を働きかけ続けた。

合従連衡でシェア拡大をめざす熊谷氏の呼びかけに、複数の企業が呼応。GMOは業界の草分け的存在であるアイル(東京・渋谷)とラビッドサイト(同)を昨年買収、中小企兼何けサービスの契約件数でトップに躍り出た。中小企業や個人を顧客とずる低価格のレンタルサーバー市場は、GMO、クレイフイッシユ、イーストアーなど新興企業向け三市場に上場ずる企業が中心となって育ててきた。イーストアーは大株主の有線プロードネットワークスが販売機能の大半を担っている。

中小企業がレンタルサーバー事業者と契約するのは、インターネット関連インフラを自前では整備できないため。 ホームページの運用や電子メールを使うためのサーバーをネットを通じて借りることで、投資負担や保守・運用の手間を軽減でぎる。

中小企業などを対象としたレンタルサーバーサービスの市場規模はニ○○一年で三百億円程度と推定される。企業がホームページを通じて提供する情報量が一段と拡大しているためニ○○五年には七百億円を越すとの予測もある。

だが、市場の成長期待から大小百社以上の企業が参入しているといわれ、乱立による価格競争が激化している。長引く景気低迷で中小企業のボームページ開設ぺ−スが一時的に鈍っていることもあり、事業者の収益損境は厳しい。

一台のサーパーの機能を複数の顧客で分け合うタイプのサービスの単価は、昨年後半に五 - 一○%低下したもよう。各社ともウイルスチェック機能の強化やグループウエアなど付加価値のあるソフトの充実などで単価の向上をめざすが、「急速には回復しない」(中堅事業者)との声もある。もっとも、合理化余地の大きい上位企業の損益は改善傾向にあり、中堅以下の企業との二極化が進んでいる。

経営の迷走もあって赤字続きだったクレイフィッシュは人件費削減などの効果で、顧客数を減らしたにもかかわらず二○○一年十−十二月期に最終黒字に転換した。四月に就任したクレイフィッシユの堀内周社長は「経営基盤が改善してきた」と強調する。

一方、中堅以下は営業力で上位企業に押されているうえ合理化余地も小さく、赤字の業者も少なくない。新たに大手インターネット接続事業者がレンタルサーバー事業に本格参入する動きも脅威だ。事業者間の体力格差が確実に広がっており、上位が中堅以下を取り込む形での業界再編が一段と進む可能性が高い。

■レンタルサーパー
インターネット経由で情報を発信するためのコンピューター(サーバー)の機能を貸し出すサービス。ホスティングともいい、サーバーを顧客が保有して事業者がサーバーの設置空間などを提供する場合はハウジングと呼ぶ。
レンタルサーパー事業は、中小企業やSOHO(スモールオフィス・ホーム才フィス)、個人を対象に月額数千円から数万円でサービスを提供する低価格サービスを指すことが多い。通信事業者や情報機器大手が大企業向けに提供する大容量・高品質なホスティングサービスはマネジドホスティングなどと呼ばれる


媒体名 : 日本経済新聞
掲載日 : 2002年05月06日
ページ : 14面
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