11. 日本自閉症協会千葉県支部

11.1 沿革 

 前身である千葉県自閉症児親の会が昭和47年(1972年)に設立されました。昭和55年(1980年)に市,地区単位の親の会が作られたので千葉県自閉症児者親の会連合会に改組,平成元年(1990年)に上部団体である自閉症児・者親の会全国協議会が主体となって社団法人日本自閉症協会が設立されたので,その下部組織として千葉県支部が発足し現在に至っています。 

11.2 組織

 日本自閉症協会の支部として位置付けされ,日本自閉症協会に加盟している会員で構成されています。下部組織として県内に12地区(安房地区,市川市,市原市,君津地区,長生・山武地区,千葉市,東葛地区,東総地区,習志野市,船橋市,松戸市,八千代市)の分会があり,それぞれ地域に根ざした活動を展開しています。会員数は親および賛助会員(自閉症に関わる関係者)・団体会員合計で現在,620名。

 運営は支部運営委員会の協議を経て,教育研修部,労働福祉部,施設部,事業部,広報部,高機能勉強会,事務局及びの部局が各種活動を担当しています。 

11.3 これまでの主な活動 

 これまでの取組みで大きなものとしては,施設部が発展して,社会福祉法人「菜の花会」を設立し,知的障害者更生施設「しもふさ学園」を建設したことがあります。「しもふさ学園」は自閉症者に適した支援を目的とした更生施設で,全国各地にある親たちが設立・運営している施設です。また,昭和58年に自閉症児・者親の会全国協議会全国大会を千葉市民会館で実施したことなどありますが,「千葉県自閉症研究大会」は全国でも例がないユニークな取組みとして注目され成果を上げております。この研究大会は第1回を上記の全国大会に合わせて開催してから,2年または3年ごとに開催して,平成11年に第7回を実施しました。

 第1回に大会は「しもふさ学園」建設の大きな弾みとなりました。第5回(平成5年)と第7回の大会を契機に県下に,世界的に優れたものと評価されている自閉症療育支援プログラムTEACCHプログラムの学習と実践が始まりました。

 また,第6回(平成8年)の大会を契機に「自閉症についての関係機関等担当者連絡会議」が発足して千葉県における施策の検討が行われています。 

11.4  今年度の主な活動

・ 自閉症に関する千葉県関係機関等連絡会議に参画し,自閉症児者の障害に適切な施策が実現するよう働きかける。

・ 親と教師のためのIEP(個別教育.援助プラン)作成せミナ−とTEACCHセミナ−他.自閉症教育セミナーの開催。

・ 第7回千葉県自閉症研究大会記録集「教育は自閉症児を変える」の案内と販売。

・ 自閉症に関わる関係者,関係機関とのネットワ−クの構築。

・ 高機能自閉症に関する学習会を開催する。

・ インターネットを活用した情報提供活動を推進する。千葉県支部ホームページは下記。

   http://www.interq.or.jp/japan/aschiba/

・ 支部会報の発行。 ・その他。

 11.5 幼児から成人まで一貫した自閉症のためのトータルケアシステムの構築を切に願います。  

 私達が,切に願っていることは,自閉症の障害を正しく理解し,幼児から成人まで一貫した自閉症のためのトータルケアシステムの構築することです。しかし,30年近い私達の粘り強い要望・努力と関係機関の取組みで向上は見られますが,まだ不十分です。現在,国でも自閉症施策構築に取組みを始めました。この時期,是非前向きにご検討いただきたく,保護者のニーズを基にして多くの要望を提出いたしました。

 現今の社会情勢を考えると,実現には幾多の困難が予測されますが,自閉症の人たちが社会の一員として,役に立ち,幸せな生涯が送れて,その家族の多大の負担が軽減されますよう,施策の実施を切に要望致します。

 

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