大屋支部長就任挨拶

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 ただいま選出されました大屋です。

 初めてお目にかかる方もいらっしゃるかと思いますが、私、まだこの会に参加しまして、それほど時間がたっておりません。多くの先輩がいらっしゃる中で私が選ばれたということは、いろんな懸案をこの際清算しまして、新しい体制を作るという意味合いが大きいと思います。それにしましても古屋前支部長、大変ごくろうさまでした。どうもありがとうございました。引き続き事務局長という、一番しんどいところをやっていただくことになります。また、これまで長年支部を支えていただきまして、今回退任されました皆さまにも大変感謝いたします。ありがとうございました。

 自閉症協会も、すでに700人近い会員になってきました。しかしながらまだ育成会とかそういう団体に比べまして、必ずしもすごく大きな団体ではないといえます。また、今後、分会単位での活動というものを盛んにしていく、支部をスリム化していく、そういう中でどういう活動をして行くのかということが、非常に問題になってくると思います。ちょっと話を落とすようで申し訳ないですが、食い意地がはっているものですから。お寿司ってありますよね、お寿司の丸い桶がありまして、中にお寿司が入っているのですが、そういうものの内容がですね、非常によい内容のものを出してくれる寿司屋、そういうものになりたい。すべてのネタがそろっている必要は自閉症協会にはないと思います。自閉症協会にしかできない、自閉症協会に行ったらすごくおいしいものがある、そういうようなネタをつくるような会でなくてはいけないのではないかと私は思っております。

 障害を持つ人に対する福祉に対して、当事者主体ということが最近言われているのですが、自閉症とか知的障害を持っている方がどのように当事者主体を発揮するのか、その親がどのようにかかわるかということは、非常に困難なテーマであります。常に我々は自問自答しながら、子供の代弁者となって、子供がより自由に活動できる場を作らなくてはなりません。自閉症を持つ子供たちの親として、子供たちにこれから、施設も含めて、地域の中で自分らしく生きていく、いわゆるノーマライゼーションとういうことを達成するには、いろんな機関とかいろんな人たちに働きかけをしなければいけない。そのためには、とにかく声を上げて皆さんに申し上げるということもあるのですが、ひとり一人の障害の子がどのように付き合っていけばよいかということも、具体的にはバリアーフリーと呼ばれる、バリアですね、自閉症のバリアということをどのように理解してもらうかということも、同時に自閉症協会は述べていかなくてはならない。自閉症協会の役割のひとつというふうに思っています。働きかけのひとつの対象としまして、お出でいただいています県の行政の方、市町村の行政の方への働きかけが非常に重要となってくると考えております。これについては昨年1年間、古屋支部長が大変がんばられまして、だいぶ地位が上がったのではないかと思っております。自閉症のことに関しては、教育にせよ福祉にせよ、自閉症協会に聞かなきゃいけないなというふうに行政の方に思っていただくような支部になりたい。ほかの県におきましては、自閉症協会のあることすら全く知らないというところも多くあるので、そういう点ではこれまでの自閉症協会千葉県支部の皆さんのがんばりが効いていると思います。

 それで、先ほども出ていましたが、いま千葉県を含め全国で、プロテクション・アンド・アドボカシー、P&Aですね。といわれるものが非常に盛んになっておりまして、知的障害を持つ人の権利とかを守る運動なのですが、プロテクションは守る、アドボカシーは代弁するのですが、そういうことによって生活がより安全で快適なものになっていくようにしたい。最初は警察向けの警察プロジェクトと呼ばれていたのですけれども、その後消防、職安、生活指導センター、公共の乗り物、駅、コンビニ、病院、そういう風にどんどん対象が広まっております。この運動を育成会の方にやっていただく、そのような行動に我々も同時に歩調を合わせてやっていきたいと思っております。もうひとつは、どういうふうにしたら自閉症のことを理解していただけるか、ただ思いやりをもって下さいといっても中々うまくいかない。どのような困難があってどのようなファイアーウォールがあって、どういう策がいるか、この点を説明していく。身体障害のお子さんなら、バリアも比較的理解できるかもしれないけれど、本人が中々主張できないような自閉症とかの場合には、本人の代わりに親や周囲が支援して対応していかなければならないと思います。このためにですね、この2年間はTEACCHプログラム研究会を、またほかにもいくつかの勉強会を開催しました。それがこの2年間私が寿司の中に作ったネタのうちの大きいものと思っております。

 最後になりますが、支部というのは、同じ問題意識をもったものが集まっております。もちろん同じ悩みを持っているということもあります。また専門家の方が悩みを分かち合ってくださるということもあります。それによって自閉症を持つ子供さん、その親、関係者、そういう人がどれだけ有意義な活動をしていくか。会員の方は寿司を食べに来るだけではなく、寿司を作ってもらわなければいけないので、そういうより良い活動を、もともとおけの中に一個、二個しかないかもしれない状態から始まって、いまどんどんそういうネタが増えてくる。これからはここにいらっしゃる方、支部の全員、どんな方でもですね、自分の地域でも、県支部でもいい、その中で具体的な何らかの活動を起していただいて、寿司のネタを増やしていくということを私は期待しております。それが私を選んでくださった方の、ある意味では義務で役目だと思っております。
そういうことでこれから、私も能力的に足らないところも多々あるのですが、できることはやっていきますし、皆さんのほうでも、また運営委員会の中でも、分会の方からも参加していただいて、一緒にやっていきたいと思います。よろしくお願いいたします。



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