大井川本線車輛紹介
311系
更新 2000年05月17日


 

311系は元西武クモハ371系で、さらにその元は昭和35年に西武鉄道に譲渡された国鉄モハ11系400番台車です。大井川鉄道にはクモハ2輛が譲渡されましたが、その際1輛は電装解除されクハ511に、もう1両はモハ311となり2両編成を組むことになりました。また、3扉車でしたが中央の扉を埋め2扉化して、車内もロングシートからクロスシートになりました。
 戦前から活躍してきた車輛で非常に古く、車体は各部に木を使用した半綱車です。このため晩年は塗装はく離や錆など各部の痛みが激しく、木製雨樋は塗装が剥げ木がむき出しになっていたり、グロベンも錆だらけでとても動くとは思えないほどの状態でした。
 1998年(平成8年)元近鉄の16000系が2編成入線するに伴い、老巧化の激しい311系は遂に現役を退くことになりました。古い車輛が好きなわたしとしては非常に残念ですが、車輛状態を考えるとよく今まで現役でいられたという感じで仕方ないようです。これらの車輛の生まれは大正時代にまで遡り、引退まで実に70年以上活躍していたことになります。長い間おつかれさまでした。

残念ながら、1998年(平成10年)12月26日に解体されてしまいました。

 

金谷← Mc311+Tc511 →千頭
地名駅を出発した311F
地名駅を発車した千頭行
311F抜里〜家山間
抜里〜家山間を走行する金谷行
↑1998/06/26に急遽運用に就いた311F。この当時はすでに予備車扱いになっており、平日の単独運用は非常に珍しいことでした。前日の大雨で1001Fが故障したための代走だったようです。
モハ311
クハ511
モハ311
クハ511
311パンタ
大型のブタ鼻ヘッドライト
511朽ちた雨樋
グロベンや木製の雨樋も塗装が剥げボロボロ…
311 AK-3
お馴染みAK-3型コンプレッサー
311F連結部雨樋
311前面
貫通扉の窓のみHゴムになっていますね。
511前面
クハは原型のままです。

←金谷方         モハ311         千頭方→
311床下機器
←金谷方         クハ511         千頭方→
511床下機器

 
車 歴
モハ311
クハ511
    大正12年(1923)日本車輌製造 デハ43205
大正14年(1925)日本車輌製造 デハ63169 改番 デハ63227
改番 モハ10069 改番 モハ10127
昭和12年(1937)綱体化改造 モハ50020 昭和10年(1936)綱体化改造 モハ50017
改番 モハ11424 改番 モハ11421
改番 クモハ11424 改番 クモハ11421
昭和35年(1960)西武鉄道へ譲渡 クモハ376 昭和35年(1960)西武鉄道へ譲渡 クモハ371
改番 クモハ374    
昭和51年(1976)大井川鉄道へ譲渡 モハ311 昭和51年(1976)大井川鉄道へ譲渡、制御車化改造 クハ511
昭和62年(1988)2扉クロスシート化改造 昭和62年(1988)2扉クロスシート化改造
平成10年(1998)12月26日廃車解体 平成10年(1998)12月26日廃車解体

(参考)Nifty大井川鉄道ニュースリリース

 

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