311系は元西武クモハ371系で、さらにその元は昭和35年に西武鉄道に譲渡された国鉄モハ11系400番台車です。大井川鉄道にはクモハ2輛が譲渡されましたが、その際1輛は電装解除されクハ511に、もう1両はモハ311となり2両編成を組むことになりました。また、3扉車でしたが中央の扉を埋め2扉化して、車内もロングシートからクロスシートになりました。
戦前から活躍してきた車輛で非常に古く、車体は各部に木を使用した半綱車です。このため晩年は塗装はく離や錆など各部の痛みが激しく、木製雨樋は塗装が剥げ木がむき出しになっていたり、グロベンも錆だらけでとても動くとは思えないほどの状態でした。
1998年(平成8年)元近鉄の16000系が2編成入線するに伴い、老巧化の激しい311系は遂に現役を退くことになりました。古い車輛が好きなわたしとしては非常に残念ですが、車輛状態を考えるとよく今まで現役でいられたという感じで仕方ないようです。これらの車輛の生まれは大正時代にまで遡り、引退まで実に70年以上活躍していたことになります。長い間おつかれさまでした。
残念ながら、1998年(平成10年)12月26日に解体されてしまいました。