世界ヨットニュ−ス  No4

先月、ヨットのデザイン盗用について書いたが、取り分けパワーボートのスタイルはどこのメーカーか見極めがつき難い。

 

その中で、遠目にも直ぐにそれとわかる艇種もあるにはある。NORDIC TUGは古式豊かなオモチャの汽船のような外観から一目でそれとわかる。そしてイタリアのAPERAMAREがある。バウもスターンも丸く、地中海でいまだに使われている古い漁船、ラウールの伝統的なスタイルを取り入れたのだろうか、鈍重な印象を受けるが、これが速い。30ノットを軽くクリアーする。

 

丸型のAPEREAMAREとは反対に上から見ると鋭角なクサビをそのまま水に浮かべたようなWally ???パワーボートがある。極限まですっきりさせたレイアウトのうえ、フィッチングもカスタムメイドで、異常な拘りを見て取ることが出来る。例えばフラグポールである。スターンに自国の国旗を揚げるためだけのものだが、Wallyはスターンのトーレイルに穴をあけ、そこへティークなり、ステンレスの棒を差し込むという、100%近くの船が取る安易なやりかたを拒否し、ケブラーの金色とカーボンの黒をエポキシでグライダーの細い翼を垂直に立てたようなポールをデザインしたのだ。

 

ショーバイ柄、あちらこちらのボートショーを見て歩くが、イタリア、ジェノアのボートショーはユニークなものだ。雑然としている。狭い商業港の1部にダッダと船を並べただけで、100フィート以上の豪華ヨットメーカーのスタンドが、工事現場にあるようなプレハブだったりする。これが、モナコやフォートロダデルのショーなら、特別にしつらえた、テントの下に、ヨットとコーデネイトした色調の絨毯を敷き詰め、ヨット家具を置き、お客を厳選しヨットを見せる。イタリアでは事情が違う。どう見ても買いそうも無い客にも、どんどん船を見せてくれる。ボートショーはいわばお祭りなのだ。

 

そして、デザインである。他の国のボートショーでお目にかかれないような小さなメーカーが出展している、斬新なデザイン、面白い発想を具象化したものに一番良く出会うのがこのジェノアのショウーだ。

 

海で遊ぶ道具、潜水用具使い手の良さでは群を抜いているし、ヨット用のウエアー、ヨットの内装、装飾品などなどウムとうならせるモノが多い。

 

フェラーリとミケランジェロのイタリアはヨットのデザインでも常に最先端を走っているようだ。

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