ロングクル−ジング情報


ヨッテイの暗黙の了解事項

服部.k

座礁

ロングクル−ズ中には,必ず程度の大小はありますが何度かの座礁があると心得るべき. 従ってそ

れに備えた艇選びや対策は考えの中に入れておきましょう.

 

西回り

 

航海プランを考えるときには,必ず貿易風(トレ−ドウインド)を利用したもの

になります.すると西回りが合理的なものとなるでしょう.

ハイウエ−のように決まった航路がヨットにもあります.例えば欧州艇はジブラルタルに

集結しカナリ−諸島からカリブ諸島をめざすことになります.季節的にも似通ったものになります,

それは熱帯低気圧の時期を避けるためでクリスマス前後にジブラルタルに寄航することになるで

しょう.

 

現地出発

大陸の東側は西側に比べて気象変動が激しいものです. 変風帯に属してすぐに

時化に会う日本発のプランより,欧米発の西回りプランのほうが何倍も楽にクル−ズ

できます.おまけに経済的にもヨット選びの点からも利点がずっと多いでしょう.

 

港滞在

意外と忘れがちのことですが,全期間の中で港に滞在している期間は8−9割近く

になります.従って艇選びもそのことをもっと考慮すべきです.

 

日本に帰ってから...

クル−ズ期間中は頭から離れない問題です.欧米のヨッテイを見てみますと,仏人

なんかはちょうどうまい具合に 海外県や植民地が世界中にちらばっていて,そこで

働きながらクル−ズしている人々に出会います.うらやましい限りですが,これは

モビリテイのある社会を実現していない日本問題のようです. まあ折角しがらみを

離れて出発したわけですので,きっぱりと忘れて期間中は楽しみましょう.

 

ヨッテイに聞け

事前の情報収集は日本ではなかなか大変です. 国内のクル−ズでも情報集めに現地の

漁師さんに聞くのも大事なことですが,彼らにはヨットの喫水の知識がないので事前に

そのことを知らせるか,また割り引いて聞く必要があります.船の対抗性も漁船よりは

ヨットのほうが強いようです.従って気象を聞くときもそのことを踏まえて自分なりに

整理する必要があります. 海外の情報は現地でヨッテイに聞くのが一番です.

パイロットブックも容易に手に入りますし,チャ−トも安い. プランのなかに

シェ−クダウンも兼ねて出発までにこれらに必要な期間を多めにみておくべきでしょう.

ヨッテイのなかには大西洋を10回も横断したような人もたくさんいますよ...積極的に

ヨットパ−テ−を主催したりときには誘われたりしてヨッテイと仲良くなりましょう.

クル−ズの楽しみは自然も大事ですが終えるころにはやっぱり人だと話される方も多いようです.

 

船籍問題

日本のプレジャ−ボ−トの法体系は商用大型船のものを援用しているため,ヨットを海外購入して

長期のクル−ズにでることなど考慮してありません. 船籍取得のための測度検査するのに海外まで

出張してくれれば問題は解決するのですが,実際上はほとんど不可能です.日本国民の財産権を

保証するためには,簡単に早期に取得できるように考慮があってしかるべきではあるのですが....

こんな事情で実際はNORCの会友艇の登録を利用しています. 船籍問題はつまるところ税関問題で

どの国の登録がなされているかがはっつきりと英文で現地のカスタム係官に提示できればよいわけ

です. 極端には英文のBILL 0F SALE(譲渡証明書) をもっていれば OK のケ−スもあります.


 

以上思いつくままに列挙しました少しでもお役にたてれば幸いです.何か役立つ情報があればご連絡ください.

 


廻航のためのエンジン整備の手引き

佐野.S

ヨットが荷降ろしされたら

  1. すべてのシ−コックのチェック
  2. スタンチュ−ブ,スタフィンボックスのチェック. 輸送中の変化で海水が入りすぎることあり.
  3. バッテリ−液のチェックと充電 オ−トマチックチャ−ジャ−の場合8時間ぐらいはつなぎぱなしでよい. 小型の車用のときは1−2時間に1度ぐらいチェックしてオ−バ−チャ−ジにならないようにする. 終わった時点で13.8−14.2Vならよし.チャ−ジ中にはキャップをゆるめておく.
  4. シ−コックを開けて,エンジンスタ−ト. ダイナモからのoutでテスタ−で13.8−14.2vならよし.

燃料系

  1. 間に合わせだが,タンクの底にパイプを入れ,カスやゴミをポンプで数リットル抜くとよい.
  2. タンクは常に満タンにすべし.
  3. はじめてエンジンをスタ−トするときは,15−20秒ぐらいプレヒ−テイングして,アクセルレバ−を大げさに2000rpmより上になるぐらいにする. 冷却水が出てもしばらく5−10分ぐらいそのまま回し,完全に冷却水が回るまで回転を維持する.
  4. それから700rpm(ハルとの共振しない)ぐらいにして1時間回す.そのときにウエスやちり紙でタンクからエンジンまでのパイプの燃料漏れを調べる.

エア−抜き

  1. エア−抜きのネジに赤マジックでも塗ってすぐに分かるようにしておく.
  2. 手動の燃料ポンプがフルレンジで動かないようなら,スタ−タ−を1−2秒回す.(1/4回転) だめなら2−3回してみる.
  3. 第1フィルタ− RACOR系のフィルタ−はエア−抜きの必要なし
  4. 第2フィルタ− 燃料が泡なしで流れるようになっても,まだまだ2,3分続けて手動ポンプを押して燃料を流すこと
  5. インジェクタ−ポンプでも同じようにエア−抜きする
  6. ここでスロットルを思い切り押してエンジンをスタ−トさせてみるとよい.フォ−ド,ボルボ,メルセデス等はこれでたいていかかる.
  7. だめならもう1度,フィルタ−,インジェクタ−ポンプ,の順でエア−抜きし,シリンダ−ヘッドのインジェクタ−へのパイプのところをゆるめエンジンを回す空気がでなくなるまでシリンダ−をひとつずつ空気を抜き,燃料を出しながら締める.2つめか3つめのシリンダ−のエア−抜きでかかる.
  8. 4つ又は6つのシリンダ−でかからなかったら,もう1度はじめからやり直す.
  9. バッテリ−がフルならこれを7−8回繰り返す電力はあるはず.
  10. こぼれた燃料を拭き取り漏れがないか確かめる.

 

冷却水

  1. 海水用ストレ−ナ−を清掃する.
  2. シ−コックを開け水漏れをしらべる.
  3. インペラ−は水無しで回転するとすぐにだめになる.
  4. ファンベルトを押して5cmぐらいゆるむのなら締め直す.
  5. 清水もチェックする.

ギアボックス

トランスミションオイルはまず減ったり濁ったりしないはず.ヨットを浮かべたときに

チェックし1時間ほどエンジンを回したときにもう1度チェックする.

エンジンオイル

エンジンを1度回して温めてから15−30分くらい量をチェックする.いつも1回分の

全交換分のオイルはヨットに積んでおく.

 

 

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