風景・アトリエ・猫・花・人物…被写体や撮影の時期・場所などはばらばらですが、一貫して感じられるのは奈良氏の「慈しむ眼差し」。イラストでは、かわいさのなかにもシニカルな雰囲気のある奈良氏ですが、この写真集からは本当に優しさがこぼれおちるよう。

中でも心を惹かれるのは子どもを写したもの。イラストにも「子ども」が多くモチーフとなっている奈良氏だけに、くるくると変わる子どもの一瞬の表情を素晴らしいタイミングで切り取っています。やんちゃな顔・やさしい顔・興味津々の顔…
アフガニスタンで撮影したという子ども達の写真も、すごくかわいいです。

日付が入ったスナップ写真もそのまま収録されていて、本当に「普段の写真」を集めた写真集といった感じ。
「奈良さんの眼には、世界がこんな風に見えているんだな…」と感じました。イラストとはまた違った、奈良ワールドが体験できる写真集です。