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シルミド / SILMIDO

俺たちは生きているんだ

684部隊(68年4月創設)に真実の光を当て、韓国軍隊の暗部を暴く、事実に基づく31人の悲劇。死刑囚らが集められて金日成暗殺のための秘密訓練を受ける。シルミドに向かう船上ではいきなりケンカが始まり、最初は苛烈な訓練に弱音を吐く彼らだが、訓練が終了する頃には教官より優秀な兵士になり、使命を全うする信念や戦友に対する友情を持つに至る。彼らは今や死刑囚ではなく、生きる目的を持つ人間である。

しかし中央情報局(KCIA、当時)トップの交代という政治状況の変化により、作戦は延期され、訓練だけが続けられる。政治に翻弄された彼らは、結局国家の敵にされる。

死刑執行時に終わっていたはずの命、生まれ変わって、苦しい訓練に耐え、国家に命を捧げる決意で生きてきた。国や家族友人に対する愛情もある。なのに国軍からは敵として攻撃を受けている。韓国の歌が思い出せないと、訓練で教えられた北の軍歌を皆で歌うシーンは彼らの「第2の人生」が想起され、胸つまされる。バスの中で彼らが自分の名前を血で書く姿は、自分が生きた証を残したいという強烈な意志を訴える。

隣人として長い歴史を持つ韓国との関係を考えれば他人事ではない。今の平和な生活の下には、声にならない隠れた悲劇があまた横たわっている。彼らの悲劇をムダにしてはならない。真実を求め、過去の過ちを認める勇気をこの映画は教えてくれる。



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