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フライド・グリーン・トマト

時を架けて

この映画はジャンルに分けられないところが最大の魅力であるといえる。サスペンスとも捉えられるし、黒人が未だ差別を受け続ける歴史的ドラマとしてみることもできる。そしてもちろん典型的アメリカ映画であるから、コメディ的な見方もできるわけだ。しかし私はこの映画を、あくまでタイムトリップ物として観たい。現在に生きるエヴリンは過去に生きるイジーやルースの生きざまから確実に何かを学び、現在、そして未来を変えていく。すなわち時を超えた力の存在を観る者に観じさせ、かつ最後の「イジーはまだ生きているんだよ」という台詞によって、映画を観る者の未来さえも変貌させうる潜在的パワーを持った作品である。深く観ようと思えばどこまでも深く観られるところも、この作品の懐の深さ=魅力だと言っていい。また別の観点として、この映画の音楽の魅力も挙げられる。あえて一点だけ言及するならば、それはオープニングである。バロック時代の宗教音楽でしかほとんど使われることのないオーボエ・ダモーレにオープニング主旋律を担当させ、その後もイングリッシュホルン、バスクラリネットと多様な管楽器が効果的に用いられている。音楽ファンも注目すべき作品であろう。2枚のサウンドトラックが発売されていることからも、この作品に製作者が込めた音楽への思い入れが伺える。


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