ほとんどがパリで撮影されたらしく、場面の町並みは綺麗で従来のアクションものとは違いドロ臭くない。
必要以上に人は死なないし、ド派手な爆発も起きないので、ド迫力アクションが好きな人には物足りないかもしれない。
しかしながら、多少のヒネリが加えられたストーリーと、独特の映像、要所要所のアクションは満足できる出来ではないだろうか。
オーシャンズ11を見た後に見たのだが、個人的にはマットデイモンはカッコイイ役は似合わない。
オーシャンズ11のまだちょっと青二才というか田舎臭い役が似合っている。ような気がするが、
この作品の自分が誰なのか苦悩しながら細い糸をたどり、追手と戦う彼の演技は見ていて見苦しいものではなかった。と、思う。

一つだけ言うと、主人公が記憶を失っているワリにやたらと格闘慣れしていたり、
訓練された結果とはいえ戦術が身に染み込み過ぎていて強すぎやしないか、と思ってしまった。
どうせなら最初はもう少し頼りない青年で、徐々に思い出して強さを取り戻していく方が更なる見ごたえが出たのではないだろうか。