← アマゾンの検索結果を「お気に入り」に登録。
いつでも最新作品をチェックできます。
汐見朝子 最新刊・アニメDVD/ビデオ
蒼き光―Exciting scandal selection 4 (2)     蒼き光―Exciting scandal selection 3 (1)     冬の散華―Exciting scandal selection 2     百貨店の薔薇     菩提樹の下君を愛す     罪と罰―正義か犯罪か     薔薇の吐息―Exciting scandal selection     艶歌―果てしなきカーテンコール (1)     旅立ちの朝     ダークゾーン     華宴     はげしい季節     炎の女     蒼ざめた吐息     宿命の女     続 百貨店の薔薇     とってもシングル     凍える接吻     百貨店の薔薇     薔薇の抱擁     果てしなき輪舞     マンガ世界の文学 (7)     桜の葬列     菩提樹の下君を愛す     闇の宴     闇の抱擁     迷宮の情人     ガラスの不死鳥     紅い絆    
大いなる遺産

難しい問題です。

この映画をディケンズ原作と言うのは(僕の思い入れとしては)苦しい。
舞台を現代に移したせいなのか、主人公がエステラによって与えられた自分の身分を(不当に)恥じる気持ちや、エステラを欲するがゆえの富への激しい憧れが希薄になってしまったように感じられる。

そして彼に絵の才能があったのは、原作と映画との間に大きな隔たりを作ったんじゃないかと思う。
なぜなら彼に与えられた財産が、絵によって(エステラをふくむ)夢を掴むチャンスなのか、それとも、ただの莫大な金を受け取ってエステラへの思いを募らせることなのかでは大きな差があるからだ。

主人公は原作では(ほとんどの場合において)決して能動的にはなれない。


そして、そのことは物語にとって重要なテーマだと僕は思う。
ディケンズ原作という謳い文句がなければ、せめて「大いなる遺産」をモチーフにしたラブストーリーというくらいにとどめといてくれればなぁ・・・。

仮にそうだとして星二つ。
うーん、まだ書き足りないけど、ここまでにしときます。



潮見知佳   ホーム