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全能感というテーマ

ジム・キャリーの作品には、全能感をテーマにするものが多い。

日本で一番全能感をうまく描いている作家は、漫画家の江川達也でしょう。『BEFREE』などがあります。そしてなんといっても傑作アンドリュー・ニコルの脚本、ピーター・ウィアー監督『トゥルーマンショー』が代表です。『ライアーライアー』『マスク』も同型の萌芽に感じます。全能感というのは、個人的欲望が全て満たされることですが、羊水の中の子供ならいざ知らず大人の欲望を引き出していくと、とんでもないことが起こってしまいます(笑)。全能感というのは、それを満たす側の神(=全世界の管理者)というテーマがついになっています。欲望や希望を思い通りに実現していくということは、それをマネジメント(=管理)していくことと同義だからです。『トゥルーマンショー』では、「ウソに囲まれているけれど全てが満たされ完璧に管理されている環境」と、「全てが不透明で苦しみに満ちた現実」とどちらを選ぶべきか、という強烈な選択がありました(トムクルーズの『バニラスカイ』も同じですね)が、そういう意味ではこの作品は、説教くさい予定調和で、だからこそのハートフルさで仕上がっています。全能感(自分の個人的欲望)を追求していくと、何がまっているかというテーマ。また、全能感求める(=神になる)とは、何なのか?というという文脈を読むと、ジムキャリーの作品群は、とても興味深いと思います。次はどこへ行くのでしょうか。あと神であってもFreeWill(自由意志)はコントロールできないという設定は、自然法の概念が根付いた欧米らしいなと思いました。

個人的には、モーガン・フリーマンの上品な演技に脱帽。さすが名優。最近のアメリカ映画では、調停者という立場(大統領や神など)で黒人が登場することが多い。アファーマティブアクションもあるでしょうが、叡智を持った黒人というキャラクターが多いような気がします。コリンパウエルが国務長官になる時代ですからね。



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