本作をみてあらためて感じたことだが、自分はなんらの見返りを与えずに相手から一方的な愛を要求するという関係は成立するのだろうか？言葉を変えていえば、「無償の愛」というのはありえるのであろうか？たぶんそんなものは原則ありえない、というのが本作を見終わっての結論である。愛がほしいと思うなら、自分も相手を愛する覚悟を持たねばならないが、その覚悟がないなら孤独や寂しさに耐えなければならない。孤独や寂しさには耐えられないから誰かに愛されたいが、それでも自分は相手を愛さない・・・私自身もいつもこういう甘い幻想を抱いているが、そういう関係は成立しないし、無理やり成立させても本作のような取り返しのつかない悲劇を生むようだ。私には他人を愛する余裕はこれっぽちもないので、だったら孤独や寂しさに耐えていきるほうがいい。
この映画を見て私は以上のようなことを感じた。