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高山瑞穂 最新刊・アニメDVD/ビデオ |
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刑事 ピエトロ・ジェルミの刑事 最後にこの映画を見たのはもう十数年も前のTVの深夜映画だったように記憶している。映画のタイトルバックの噴水と雨のローマが印象的であった。ストーリーは単純明快であるが、登場人物の心理状態が画面を通じて直接的に伝ってくる作品だと思う。 ピエトロ・ジェルミさんの魅力は決してヒーロー的な存在ではなく自身も極一般的な市民として描いているところだと思う。恋人との電話のやり取りや、過去に自分が訪れた経験から容疑者が訪れたモーテルを特定するシーンはその最たるものではないだろうか。これがネオリアリスモの表現方法であろうが、フランス映画や他の監督作品のように堅苦しくなく、すんなりと受け入れられるところが氏の監督・俳優としての優れたところであると思う。 また、下町情緒の溢れる人々の描写や復興半ばのローマの描写は誇張されず、美化されず、その時代がありのままに映し出されているためにより近親間を覚える。どこか日本的に感じるのもこの描写によるものだと思う。テーマ音楽もボレロのリズム、もの悲しいマイナーの曲調が更にその印象を深めている。 共演のクラウディア・カルディナーレ、エレオノラ・ロッシ=ドラゴ、ニーノ・カステルヌォーボなどの出演も十分に楽しませてくれる要因だと思う。 佳作と思うか、名作と感じるかは観る人によって様々であるが、若い映画ファーンの皆さんも是非ごらんになると良いと思う。 |