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飢餓海峡

戦後の「影」を引きずる人々の切なさ

この映画は、繁栄の影にある「暗さ」、かつて日本のどこにでもあった「飢餓」を描いている。この映画が配給された1964年より後に生まれた私にとって、飢餓は今ひとつピンとこないが、それでも私が子供の頃の1970年代頃は、貧しさを描いたアニメや、「Gメン75」など暗さを描いた刑事物の作品がテレビで放送されていた。最近ではそれすらもなくなった。最近流行の韓国ドラマは、そうした「影」の部分が描かれているのも魅力なのであろう。 
 主人公樽見京一郎(三国連太郎)の人生はレミゼラブルのジャンバルジャンにも似ている。過去の「影」の部分を引きずりつつ、今となっては成功者となっている。
 10年前に受けた恩を忘れずに、主人公のもとにお礼に訪れた女(左幸子)の気持ちに素直に答えてやれることのできない気持ちを思うと切ない。
 戦後のどさくさの時代を描いた作品としては、松本清張系、横溝正史系の映画があるが、それらの作品を思い出した。


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