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ルパン三世 - カリオストロの城

華麗なる荒唐無稽、そして・・・

ルパン三世というモンキーパンチ氏の大発明キャラを、宮崎駿氏の類い希な筆使いで紡ぎ上げた日本の宝。
重力や流体力学などのあらゆる物理法則を大胆に無視し、ルパンの車は崖を駆け上り、ルパンの泳ぎは滝を登り、ルパンの跳躍力は数10mを超える華麗なる荒唐無稽。それでもなんの破綻もみせないのは、大嘘は最後までつき通す、という決然とした意志の元に組み上げた完璧にフィクションなストーリー性にある。
ここには、何が正義か?というテーマも底辺にある。一つの公国の光と陰、国際警察と国益、歴史と人間、警察と泥棒。そういった葛藤を重苦しくなく文句なしのエンターテイメントで包み込んでいる。が・・・
しかし、摂政の伯爵が悪、王女が善。そんな単純な解決ではないし、単純なカタルシスでもない。事実、冷静に考えればこのストーリーの後、カリオストロ公国は悲劇的な運命をたどるしかないのではないだろうか?
見終わった後の爽快感の中の何かしらもやもやとした問題意識。それが宮崎ワールドの魔力だと思うが、いかがか。


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