しかしある１０月の晩、夜空を横切ってゆくソ連、スプートニク号の光を目の当たりにした彼は「俺もロケットを作って宇宙に飛ばしたい！」という途方もない目標を胸に灯したのだった・・・。

　悪ガキ仲間や、それまで小馬鹿にして犬猿の仲だった科学オタクのクラスメートをも引っ張り込んで彼らはロケット作りに没頭する日々を送り、失笑を買うような失敗を繰り返しながらもロケットは徐々に形となってきた。このまま順調にいくかと思われた矢先、彼らを事故や事件が襲い、計画は頓挫。そして家庭の事情からホーマーは、あれほど忌み嫌っていた炭鉱にもぐって働き始めねばならなくなる・・・。彼はこのまま自分の夢をあきらめてしまうのか？

　「夢を追いかける」言葉で言うのは簡単です。しかし、広大な砂漠に投げられたたったひとつの小石を探し当てるがごときわずかの可能性に向かって真っすぐに突き進む、それは誰にでもできることではありません。物語の結末はみなさんが御自分の目で確かめてください。