ヒーロー番組のパロディを織り混ぜつつ観客をゲラゲラ笑わせ、バトルシーンでは手に汗握らせ、足が不自由な少年との交流にホロリとさせ…と、エンターティンメントの要素がまんべんなく盛り込まれた素晴らしい傑作。これまでの三池監督作品とちょっと毛色の変わった作風だが、主人公は大真面目なのに観客は吹きだしてしまうシチュエーションやダイナミックなアクションなどは、まさに三池節全開で面白い。信じる力さえあれば空だって飛べるんだ、というあたりに「人は誰でもヒーローになり得る」というメッセージが照れなく描かれていて好印象だ。

映像特典は特報と予告編が各１種とTVスポット数パターン、それに静止画でポスタービジュアルが１点。あとは公開初日の舞台挨拶。この舞台挨拶でのすがすがしい表情の哀川翔には仕事の達成感が感じられて、見ているこちらも嬉しくなってしまう。コメンタリーなどの音声特典が無かったのは残念だが、本編だけでも充分楽しめる。主演100本記念の哀川翔の雄姿を何度も繰り返し再生して胸に刻みこもう！