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カッコーの巣の上で

健常者の狂気

閉鎖空間の精神病棟で、患者を完璧に支配する管理体制
患者のささやかな願いが<にこやかに圧殺>されていく怖さ
緩慢な精神の死に追いやられる患者の姿に怒りを覚えます

小才の利いたならず者でも、マクマーフィーには健全な人間性があり、
彼のいきどおりが「あきらめ」と「恐れ」に支配されていた人々を解放していく

己の支配する世界を「完璧」に保とうとするラチェット&看護人との戦いが始まり、彼らの勝利に患者達の人間性が回復されると見えるが・・・

理不尽な社会で押しつぶされて病者を装うのが異常か
病者を支配するサディズムに酔うのが正常なのか
見るものは混乱し、怒り、ラストのマクマーフィーを見て驚愕し、無力感さえ味わっていまいます。

監獄のような「病院」を意思と肉体の力で脱出していくチーフの存在がなかったら、まったく救いのない映画です。

ラチェットとの戦いに敗れたマクマーフィーは無駄なあがきをしたのだろうか?
患者達に与えた生きる意味と自由はそれだけの価値があっただろうか?
アメリカ的なヒロイズムというのは簡単すぎて、この映画に対して失礼ですね。

マクマーフィーの自由と尊厳もチーフと共に「牢獄」を脱出し、旅立っていきました。

インディアンの巨漢チーフがマクマーフィーに語ったセリフ、示した愛情にわんわん泣いてしまいました。



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