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炎の蜃気楼 みなぎわの反逆者 第2章

高耶と直江の哀しみと憎しみ

第1章より、人物の表情が綺麗です。人物が遠景に引くと煩雑さが見られるのは同様ですが、シーン毎に顔つきが違って見えた前作のアニメや第1章より、安心して見ていられます。高耶の可愛らしいキャラデザインも「景虎」に豹変する時にかえって印象的です。
 京都のホテルでの、高耶と直江のシーンは、原作小説で30ページあまりのシーンをほんの6〜7分に収めているのでカットされた台詞もかなりあり、原作ファンには物足りない部分もあるかもしれませんが、主要な部分は多少場面は前後しても描かれており、際どいシーンも綺麗にまとめられて満足のいく仕上がりだと思います。
 原作の台詞にはない、高耶と直江の心情を表す文章がここでは、2人の表情と台詞、音楽だけで表現されています。高耶と直江のお互いに対する怒り・憎しみ・哀しみと、高耶の動揺・屈辱、直江の高耶に対する憎しみを孕んだ愛・諦めが胸に迫ります。特に、直江の冷たく自虐に満ちた表情から怒り・哀しみへと変化していくところは見所で、1つ1つの場面に惹きつけられ目が離せません。声優さん2人の声が本当に素敵です。欲を言えば、直江が高耶から身を引く場面は、原作通り丁寧に描いてくれると嬉しかったですが、贅沢かな。直江役の速水さんが高耶役の関さんと「目を見交わすだけでピタリと合う」という調伏シーンも注目。高耶のタイガース・アイを強調するところで、目が金色に光るのはどうかと思いますが…。 
 で、何故星4つかというと、何せ本編が31分は短い。直江役の速水さんのインタビューも今回は11分ほど。直江と同じ柔らかな低音、直江が座ってるかのような演出は素敵ですが。アニメのリテイクではないので難しいのかもしれませんが、もうちょっと本編が欲しいところです。


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