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十二国記 月の影 影の海 五巻

延王の役割

この話は「陽子の成長物語」としての位置付けが濃い作品であるが、その

景王にとっての成長過程の最終講義者ともいうべき「延王」の存在がクローズupされた巻ともいえる。彼のようなキャラ性はこのての話ではすっかり「おやじ」扱いのようだが、個人的に言わせてもらえば、ようやく歴史ファンタジーの物語に欠かせないある種「骨のアル男」がしっかり登場してくれて嬉しいかぎりなのだ。

 景王と違って延王は「自分は国を預かり民を統治するための人間」という生まれながらの王である自覚があった(倭での経験がそうさせた)。だから景王と正反対で、景王のように「私が王なんて・・・!!」と動揺したりしない(陽子にとってはむろんの話だろうが;)。寧ろ「城だけではだめだ。国そのものがほしいと延麟にむかってぬけぬけと言ってみせたりする。「俺には責任がある」。統治者・リーダーとしてはこれほど頼もしい言葉を言い、さらりと体現化してみせる延王にとって、景王の動揺は違った意味で延王自身の動揺を誘ったに違いない。
 
 しかし気を取り直した延王は、とうとうと「帝王学」を景王に教え、最終的には陽子に王としての自覚を芽生えさせることに成功する。

 陽子は楽俊を始めとした市井の人間たちと交わることで、人間的な成長をとげ、延王のような優秀なリーダーと合間見えることで自らの運命と闘うことを決意する。

 もちろん、王気など見えず、分不相応で容姿もそれほどでもない(あの作画をみていたらおもった)偽王と仲良くするより、15・6歳のぴちぴちして元気でなかなかな美女が隣国の王となってくれたほうが、彼自身嬉しくて楽しいだろうから、すすんで助けたというのもあったりして・・・!

 それにしても楽俊や、景麒など「動物」の描き方がなんといっても愛くるしい。楽俊しかり、景麒の麒麟姿などはすすんで「なでなで」したくなってくる!



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