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生きていくことの意味とは?

ベストセラーとなった小説のこのドラマを見始めたら、久々にテレビドラマらしい作品で、普段は忙しくて連続ドラマを見ていなかったのですが、このドラマは見逃せませんでした。興味が沸き、映画版を見ましたが期待はずれでした。同じ原作でありながら、こうも違うものかと遅ればせながら原作の小説を読みました。原作は、文体も易しく、普段活字離れ気味の自分でもさらっと読めるものでした。内容的には、あまり余計な描写がなく、エッセンスだけが抽出されたような小説でしたので、映像化する人によって、かなり印象が違う理由がよく分かりました。

 原作のテーマは、シンプルすぎるとも言えるほどの純愛ストーリーの中に「人は死というものを、どのように受け止めていかなければならないのか」あるいは「人間が生きていくことの意味とは何なのか?」と言った深淵な問題提起をしている点にあると思うのですが、このドラマ化された作品は、随所で様々な登場人物のセリフによって、そのテーマを素直に引き継いで、表現していると思いました。

 主役の二人をはじめとする役者陣が、とても良くて、特に友人役の3人は新鮮でした。父親役の三浦友和を見ながら「そういえば同じTBSの赤いシリーズで、白血病になる山口百恵の恋人役してたんだよなあ」とか、クライマックスで朔太郎と亜紀が列車に乗るシーンは、愛の道行きで赤い毛糸が印象的だった「高校教師」のラストを彷彿とさせたりと、往年のテレビドラマが持っていた魅力を感じさせるドラマでした。



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