俳優陣が主要の４人とも好きな人ばかりだったので、画面を見ている心地よさは全編にわたって続いたのですが（それにオープニングシーンを始めとする風景がとても良い）、それを足しても星４つ....

いずれの登場人物もそれぞれの‘human stainを抱いて生きている、そのような設定の割には、どの１人にも深い共感が持てなかった。表面的に理解はできるのですが、こちらの内面にまでつきつけられるような‘なるほど感に乏しいと申しましょうか。しかしそれは、この物語の核心部分が（冒頭で触れたように）日本人には分かりにくい・アメリカ内部でこそ実感されうる事情と切り離せないからであり、映画の出来とはまた別の理由によるところが大きいと思われます。そういう意味ではこの映画は、実は観終わって何度か作品全体を思い返すうちに‘いい映画だったと感じられるようになる、DVD観賞向きの１本かもしれません。

勿論、印象に残る優しいシーンや悲しいシーンはいくつもあり、さすがにこれだけのキャストを揃えただけのことはある、と感心しました。画面がつねに引き締まっているというのは、やはり力のある役者の競演でしか味わえない醍醐味だと思います。