2月22日


日本実業出版社「マニアに学ぶ カメラの裏ワザ!」 著者:竹内雅弘とカメラマニアックス編

副タイトルに「アッと驚く撮影術から賢い購入法まで・・・」とあるが、内容はちょっとタイトル負け、というより、看板に偽りありである。
本来、裏技とは正式に公表していない技であり、ゲームのバグやプログラマの隠したコマンド等が「裏技」として一世を風靡した。この本にはそんなことは一切書かれていない。例えば、このカメラのこれとそれのボタンを押しながら、電源を入れるとこんな機能が使えるようになる。とかいうのなら面白かったのだが...
カメラにまつわるウンチク本と名付ければ、それはそれで納得できる内容ではあるが、タイトルがよろしくない。ま、日本実業出版社だからしかたないか...
この本は、表紙のタイトルに釣られたのと、中をパラパラめくったときに、被写界深度の計算式が載っていたので真面目な本だろうと思って購入したのだが。決して悪いわけではないが、所詮アマチュアのエッセイ集にすぎない。



学習研究社中判カメラで撮る風景写真の徹底ガイド中判写真の基本」 著者:三輪薫

CAPAカメラシリーズの新刊で、中判カメラの入門書である。とりたてて変わったことは書かれていない。
本を一冊上梓するというのは大変な作業であるというのはわかっているが、35ミリカメラの入門本を元に機械的に中判カメラに置き換えて、少し大判・中判カメラの入門書からも追加したという本である。
中判カメラということでビューカメラも扱っており、チルト、スイング等についても述べているが、作例の写真についてはノーマルとアオった写真が比較して載っている。しかし、写真が小さいのと、元々よい作例でないので差がわかりづらい。知らない人にはわからないのではないかと思う。ノーマルといわずに大胆に逆アオリとアオった作例にしてもよかったのではないだろうか。
ひとつ、面白い記事があった。p77「ボディの角度を変えてスウィング風のアオリ」というものである。
これは、奥行きのある被写体に対してフィルム面をできるだけ平行になるようにカメラボディを設置する。
すると、絞らなくても被写体にピントが合いやすい。しかし、カメラの向きはあさっての方向を向いているからそれをシフトで補おう。というものである。なるほど、これは参考になったと思ったのだが、私はビューカメラは持っていても、非常に高価なシフトレンズは持っていない。通常はビューカメラでスイングすればよいだけの話であるし、大体、殆どのシフトレンズはシフトだけでスイングできない中途半端なレンズなので購入するつもりもない。(それにしてもキャノンTS−Eレンズはチルトもできて立派です)
モノクロ写真の好きな三輪氏であるから、どうしても載せたかったのであろう、2ページだけ白黒写真についての記事がある。p96
もともと、中判であろうが、35mmカメラであろうが一眼レフであろうがそう変わりはない。ジャンルとして分けるなら、一眼レフ(+レンジファインダー)とビューカメラに分かれると思うがどうだろう。