アサヒカメラ 3月号




ニューフェース診断室と新製品ニュース、それに販売店の広告のために購入しているようなものである。
特集も面白そうなら読む。投稿写真などは、写真も、評論も私の趣味ではないので殆ど注意して見ることはない。

今月の特集は、「中判新時代」ということなので一応目を通したら、ちょっと気になった記述があった。*1
それは、ひげの吉野信氏の記事中で、「645Nが、ダイヤル式になったことは大変に喜ばしい。ぼくは体質的にデジタルよりはアナログの方を好み、時計もすべてアナログのものしか使わない。 〜 後略」という件である。
辞書でデジタルとアナログを調べたが、残念ながら、記述されていなかった。
私はデジタルというのは階調を持ち、アナログというのは連続して値が変化するものと思っているが、そうすると...
私は、かなり、大昔からカメラのシャッターというのはデジタルであると思っている。
確かに、ダイヤル式のシャッターツマミは中間で止めたら、中間のシャッター速度になりそうなものであるが、そうではない、クリックのところしか動作しない。と、どこかのカメラ屋で教えてもらったことがあるような気がする。
もちろん、機械式シャッターの話である。*2
実は、電子式シャッターの方がよりアナログぽいのではないか。機械式は1段刻みしか動作しないが、電子式は、表示しているシャッター速度でも1/2段か、1/3段。内部では、1/8段や、1/16段刻み等で動作している筈である。どちらが、よりアナログに近いかは明白である。
もっとも、上記記述の後に、「カメラにしたって、スイッチを押しながら、ボタン操作しなければならないものは好まない。」とあるから、単にペンタックス645のアップダウンボタンから、操作の楽なダイヤル式に変わったのがうれしいといっているだけなのか。
私としては不満である。645Nは決して素人向けの機械として開発されたのではないと思う。プロなら、より、いっそうの自由度を求めるのではないかと思う。サービスに持って行けば変更できるとはいえ、1段刻みのシャッター速度と、1/3段刻みのシャッター速度と、どちらの自由度が高いのか。絞り優先でしか使用しないのか。
最近のペンタックスは年寄りに売るために、進歩を止めたのか...
私は、Z1等で使用していたクルクルダイヤルふたつの方式が最も優れていると思うが。

「僕はダイヤル式が好きだ。」とだけいうのなら、あっそう。で終わったのにね。ひとこと余計だね。

シャッターダイヤルはバイナリ出力のスイッチだと思うが、ひょっとしたら、露出補正ダイヤルは、ポテンショメータを使ってるかな、と思ったが、645N回路構成図*3をみると、「TV・XVダイヤル−>SW情報−>DPU」とあったので、XVダイヤルというのが露出補正ダイヤルのことなら、やっぱり、デジタルである。*4

ちなみに、ブロニカGS−1の露出補正ダイヤルと、フィルム感度ダイヤルはポテンショメータである。この件についてはいずれ日を改めて書きたいと思っている。

ニューフェース診断室も今月は645Nである。診断室でも書かれていたが、645Nを手に取った友人が言っていた。
「ファインダーを覗いたら、3点測距じゃなくて、ありゃ、ワイドフォーカスエリアだよ!ポートレートには苦しいね」
画面サイズの小さいカメラ用の測距用デバイスを使ったのではそうなってしまうだろうね。


*1 つまらないことが気になるのである。
*2 このときはレンズシャッターの話だったと思う。確かに、ガバナーで制御するシャッターはアナログかも知れないが、ダイヤルが、デジタルでしか動作しないようになっていてはね〜。
*3 「写真工業」参照のこと
*4 もっとも、ポテンショメータであっても、どうせ、AD変換するから、デジタルだが、スイッチよりも、よりいっそうアナログに近い。