理想の露出計を求めて その3
 〜 ゴッセン SIXTINO2 〜



左はセコニックL408、右側がSIXTINO2。
ケースに入れなければ、小さいが、ケースにいれたら結構かさばる。


アナログ式の露出計の方が見やすいと思う。けど、ぐるぐるダイヤルを回すのがめんどう。


シャッターを閉じれば入射光式。開ければ、反射光式です。奥に見えているのはセレン光電池です。

シックスチノー2という、セレン光電池を使用した、アナログ式のちいさな露出計がある。メーカーはドイツのゴッセン。日本での輸入代理店は浜田商会である。
私の父親がカメラが欲しい。と言っていたときに、入射光式露出計のひとつは持ってなきゃと思い、プレゼントするつもりで買い求めた。カタログによると、1/1000秒〜4秒まで、EV5〜17、f1.4〜22までとなっている。
しかし、L408と計測値を比較してみると、ちょっと違う。
よくよく、シックスチノー2の裏側を見てみると、感度調整用のトリマが付いている。なんだ、調整不足か。と、思いきや、感度は上限いっぱいであった。
しかたないので、販売店に持って行き、私のL408と販売店のミノルタのフラッシュメータVで比較してみると、L408とフラッシュメータVは0.2EV程度の誤差でよく合っている。しかし、シックスチノー2は高輝度域で2EVくらい明るめの露出値を表示する。
店員に確認してもらい、浜田商会に調整に出す。待つこと、3週間。返ってきて、すぐに、販売店でテストを行う。すると、低輝度域では確かに合っている。しかし、高輝度域では、あいかわらずである。
もう少し調べてみるといって家に持ち帰ってみたが、どうにもならない。
ゴッセンはまじめな会社である。と思っていたのが間違いだったのか。
それとも、浜田商会がいいかげんなのか。
はたまたは、セレン光電池の出力にリニアリティがなさすぎるのか?*1
とにかく、2段ちがえば、露出計としては、役に立たない
その後、ほったらかして一年以上過ぎた。
金をドブにすてたようなものである。
いやいや、コノテの露出計は怪しい。と言うことを勉強させてもらった。

以前、雑誌で、ある写真家はペンタックスのスポットメータV(だったと思う)を3台持っていて、常に露出値を比較していて、1台異なると、すぐにメーカーに調整に出す。といった話を読んだことがある。
それと、また別に、狂うのはアナログ式露出計で、デジタル式露出計は狂わないといった話も読んだことがあるような気がする。(ちょっと自信ない)
ちなみに、友人が中古でペンタックスのアナログスポットメータを買って、EOS−1Nのスポット測光と比較すると、明らかに露出値が違うので、販売店に持っていき、メーカーに調整に出してもらったところ、調整不可で返ってきたそうな。そして、しかたなく友人は返品したそうだ。
でも、その後、友人も、私も、それぞれ、中古のミノルタのスポットメータを購入した。MとFの違いはあるが、出きる限りの比較をしてみたが、一応、表示される露出値は合っているようである。
ついでに、L408を友人のL308と比較してみたが、0.2EV程度の誤差で収まっていた。

露出計も、1台限りでは、狂ったかどうか比較のしようがない。友人など、貸してもらえる人がいれば良いが、そのような便利な知人がいない人はせめて2台露出計を持つべきであろう。





*1 写真工業出版社のカメラ技術ハンドブックによると、

素子
測光範囲
セレン光電池
10EV
CdS
15EV
シリコンフォトダイオード
21EV


だ、そうだ、私も先にこの表をみていたら、シックスチノー2は買わなかったに違いない。
上記の表は各素子の特性がリニアな範囲を表しているが、コノテは、たぶん、よくて、このくらいです。と言う程度に違いない。
とすると、現実には、少し、割り引いて考えなければ...
それに、今ごろ、セレン光電池の特性の良いものが、どんどん開発されているとは、思い難いしね。