焦点深度と被写界深度


日本カメラ3月号のペンタックス645Nのテストレポートの最後に、メーカーに聞くというコーナーがある。
この中で、オートフォーカスについて質問されたときに、「中判ですから、焦点深度は35mmよりも深いので、その差をうまく利用しています。」という記述があった。
645判だからといって、無条件に焦点深度が35mm判よりも深いわけではない。
焦点深度=レンズの許容錯乱円×Fナンバー である。
645Nは、35mmカメラほど明るいレンズが揃ってないので焦点深度は深くなるだろうが、オートフォーカスに使用するCCDは35mmカメラのものと同じなので、許容錯乱円の大きさは同じ筈である。
たしかに、35mm判のカメラにはF1.4や1.2とかあるが、645判にはF2.8ぐらいしか無い。だから、そのぶん焦点深度が深く、コントラストがハッキリしてピント合わせがやりやすいというのだろうか。ちょっと、私には想像できなかった。

ところで、何に載っていたのか失念したが、大判レンズの話で、大判レンズには、絞り開放と、絞った時のピント位置が違うものがあるという記事があった。だから、多少絞ってピントの確認をせよ。と、しめくくられていたが、現在の35mm判にせよ、中判カメラにせよ、みな開放でピント合わせしているが、ピントのずれがあったら大変であろう。
でも、よく考えたら、ただ単に、球面収差が大きいレンズというだけのような気もする。
いやいや、像面湾曲の大きいレンズかもしれない。ピントに関連する収差はそれぐらいであろうが、ややこしい、言い方をしないでわかるように書いてくれればよいのに。
どのみち、大判レンズはレンズの構成枚数が少ない場合が多いから、諸収差の補正はあまり期待できないのかもしれない。

収差とか、解像度の測定は、アサヒカメラの診断室に期待するのみ。であるが、未だに診断室で大判レンズが取り上げられたのを見たことはない。さみしいかぎりである。

おっと、タイトルの被写界深度までたどり着けなかった。
理由は「ぱそこんトラブル日記」に...