レトロフォーカスとテレフォトタイプ



数週間前に友人から、ブロニカGS−1のカタログに載っている接写表の露出倍数の値が計算と合わない。調べておいてくれと頼まれた。
が、忙しさにかまけて忘れていたら友人はしびれを切らしてブロニカに電話したそうだ。
それによると、露出倍数は公式通りには決定できないとのこと。
PG50mmやPG65mmといった広角レンズはレトロフォーカスタイプである。
レトロフォーカスはバックフォーカスをレンズの焦点距離よりも長くできるのが特徴である。これは一眼レフなどの場合、フランジバックの長さははじめから決まっているので焦点距離を短くするとフランジバックが余ってしまうので、これを補うために広角レンズはレトロフォーカスタイプとし、バックフォーカスを長くして調節するのである。
レトロフォーカスは前玉側に凹レンズを配置し、後玉側に凸レンズを置くが、逆に望遠レンズは前玉に凸レンズを配置し、後玉側に凹レンズを置く。これにより、バックフォーカスを焦点距離よりも短くすることができる。
ちなみに、標準レンズはガウスタイプとし対称型であることが多い。
露出倍数の公式は対称型の焦点距離とバックフォーカスが等しい場合には計算が合うが、レトロフォーカスの場合は計算値よりも明るくなり、望遠タイプの場合には計算値よりも暗くなるそうだ。
ちなみに、歪曲収差は対称型の方が有利で、非対称型は不利になる。

実はこのページは3月に書いてリンクするのを忘れていました。
上記の友人は考えた末にペンタックス67を買ったそうです。