結婚式の写真撮影

今日、とあるBBSを見ていたら、「結婚式の写真のとりかた教えて下さい」という掲示があり、
それについて、書いていたら、書き足りなくなったので、こちらに書くことにする。

もともと、みんなにもらった、私の結婚式の写真がなぜか、ピンボケばかりで、
写真ってこんなものなのだろうか。と思ったのが、私が写真を始めたきっかけである。

で、過去に4回友人、後輩の結婚式の写真を撮影した。
私にとって幸いだったのは、仕事で結婚式のビデオを撮影している友人がいたことで
いろいろ、注意点を教えてもらった。
しかし、まずは、失敗談から。

1人め
私の結婚式の1ヶ月後であった。
この時は、別に、写真の趣味は無かったので、新婚旅行用に女房に買ってもらった
旭光学のESPIO928を持って行った。
このころは、写真の知識も無かったし、ISO400のネガフィルムでも、
貧弱な内蔵ストロボでは暗い写真が多かったように思う。
(フィルム・プリント共渡してしまったので記憶しかない)

2人め
1人めから半年後、Canon EOS5+540EZとBRONICA GS-1+クリップオンストロボで撮影。
EOS5は富士写真フィルムのSuper G ACE400を使用し、GS-1はコニカ インプレッサと
富士写真フィルムのリアラを使用したと思う。
インプレッサはフィルム感度を設定するのを忘れて、どアンダーのフィルムがあった。
やはり、全自動のカメラは便利である。
GS-1で撮影したケーキカットの写真を4つ切りに引き伸ばし渡す。リアラであった。
GS-1は結婚式のために、直前に購入したが、スクリーンが全面マットで撮影時はピントが
合っている自信はぜんぜん無かったが、意外に、皆合っていた。
被写界深度は距離3m、100mmレンズ、F5.6、最小錯乱円を0.03mmとして±約15cm程度。
ま、このくらいなら合うわな。

3人め
2人めから1年後、EOS 5 + GS-1 + モノレールの4×5ビューカメラM450。
今度はGS-1にKODAK 雅を使用する。
が、フィルム感度を合わせ忘れてISO100で使用する。
丁度よい露出。怪我の功名?
セッティングに時間のかかるテクニカルビューを使用しようと、少し時間をくれるよう
司会者に頼むが、いい返事をもらえない。
しかし、テクニカルビューであることがわかると、司会者のおばさん、もとい、おねえさんも
自分も2眼カメラで写真を撮影しているから、ぜひやらせてあげたいと、無理を聞いてもらった。
が、
ストロボは540EZと430EZ。
3〜4m離して友人2人に持ってもらう。
とりあえず、入射光式露出計で測光するが、意外に低い値。F16程度。
2枚撮影する。
1枚は引きブタを開けてしまい、下の方が光線かぶり、
もう1枚は、一応OKであるが、花婿の影がおもいきり出てしまった。
4つ切りに引き伸ばし渡す。ベルビアであった。
この回はGS-1にポラバックを付けてインスタントフィルムで撮影し、その場で家族に渡した。
もともと、ポラロイド用のフィルムバックに富士写真フィルムのフィルムを詰めたら、厚みが違うようで
いまひとつ、引き抜きにくい。
このころ、式場に運んだ機材は、40Kgはあったのではなかろうか。
アルミケースが2個、布バッグが1個、3脚がひとつ。カメラが4台。クリップオンストロボが2個、
レンズが7〜8本。

4人め
3人めから数ヶ月後、GS-1とM450。
今回は、招待されているわけではないので、簡単に撮影する。
披露宴終了後、M450で撮影する。
ルーペを忘れて来て、しかたなく、ピントグラスを目視で合わせる。
露出計で、測光するが、F2.8とかの低い値しか表示されない。
いくらなんでも、そんなことは無いだろうと、測り直すがあまり変化無し。
みやけさん、早くしてよ〜。後輩の叱責の中、あせりまくって、やっと、気が付いた。
露出計(L408)が、反射光測定に切り換わっていることに。
つまり、測りたい所ではなく、あさっての方向の壁や天井の明るさを測光していたのだった。
あせりは禁物である。
4つ切りに引き伸ばし渡す。ベルビアであった。
さすがにあまりピントは合っていなかったが、4×5なので、4つ切り程度ではあまりピンボケは目立たない。



私なりの注意点
慌てない事。
何事も、あわてると失敗するものである。
あわてないためには、よく練習すること。
イメージトレーニングすること。
ストロボのチャージランプを確認せずにシャッターを切ると、ストロボが光らなくて
真っ暗になることがある。その確認のために両目を開けてシャッターを切るのも
良いかもしれない。
フィルム、電池は十分持って行く。
途中で撮影できなくなると非常にさみしいので。
ストロボを使用する。
披露宴会場は大抵電球なので、ストロボ無しだと真っ赤にプリントされてしまう。
それに、入場時、退場時、キャンドルサービス時は部屋が暗くなり、スポットライトになってしまう。
雰囲気を狙うならいいが、私は、まず、明るくきれいに写っていることが重要だと思う。
フィルムは35mm版フィルムの場合、ISO 400を使用する。
LサイズのプリントならISO100も400も変わらないし、
ストロボの光量を補うため、そして、チャージ時間短縮のため。
+1段の露出補正をしておく。
ネガの場合、1段アンダーになるとプリントが赤っぽくなり、補正もできないが、
+1段やそこらでは、適正露出と変わらないくらいにプリンターが補正してくれる。
神前の結婚式なら、できるなら、結婚式場に入らせてもらって撮影する。
披露宴はみんなカメラを持って来て、パシャパシャ撮影するが、結婚式は
親族ばかりで、しかも、みんな神妙な顔をして写真撮影する人は少ない。
度胸よく前に出て撮影する。
新郎・新婦をきれいに撮影するためには邪魔者のいない、前の方で撮影するしかない。
食事ができないことを覚悟する。(笑)
新郎・新婦が披露宴会場にいるときは、ずっと、撮影タイミングをはかり、
退場時は部屋の外まで追っかけ、2人ともいない時はスピーチや歌の人を撮影したり、
各テーブルの人を撮影していたから、ほとんど食べた事が無い。
月刊「カメラマン」10月号にも書いてあった。(笑)


数年前にタムロンが「タムロン ズームレンズブック」という小冊子を配布していた。
そのVol 1がブライダル フォトであった。
こちらから、すべて引き写すのは面倒なので、見出しだけ。
1.事前準備が成否の決め手 フィルムや電池の準備から、当日の進行チェックまで。
フィルムは36枚撮りを、記念写真程度で3本。
きちんと記録するなら10本。
電池は、カメラの電池は事前に交換。
ストロボ用は2セット分用意。
高倍率ズームが絶好のシャッターチャンスを撮りもらさない。
2.いよいよ本番 機材を最終チェック。
会場へは時間に余裕をもって早めに。
式が始まったら、式場全体のカットを。
新郎の真剣な表情や花嫁の涙を思い切り引き付けて撮影。
両親や出席者も。
フィルムの巻き戻し音で雰囲気をこわさないように。
3.忘れがちなカットを確実に 当日の天気。
式場、披露宴会場の外観。
控え室のスナップ。
式前の緊張した様子。
受付の写真。
4.ケーキカットはメインイベント 広角の縦位置でケーキ全体が写せる場所を確保。
ナイフを握る手のアップ。
5.主役の表情を入念に 画角やアングルを変えてバリエーション豊かに。
数人の記念写真は横一列ではなく、前後2列で。
花嫁の後ろ姿も。
司会者も。
6.スピーチももらさず撮る バストショットと全身を。
正面からの場合、赤目軽減機能を。
7.記録したい会場の雰囲気 新郎・新婦のいない時に会場を写す。
やや高い位置から撮影する。
ストロボが届きそうにない全体写真は広角レンズで。
(28mmで1/15〜1/30)注:ぶれると思う。
料理の写真も。
8.キャンドルサービスを演出 スポットライトを生かして。
ストロボの押えカットも。
9.フィナーレを確実に 花束贈呈は横から手渡した瞬間を。
両親と並んだ姿は正面から全体を。
新婦と両家の母親の涙を。
父親の潤んだ瞳も。

月刊「カメラマン」10月号の結婚式特集も似たりよったりである。


この2年ほど友人・知人の結婚式が無いので、結婚式カメラマンとしては休業中である。
今後、結婚式の撮影に出かける時は、もう4×5は持って行くまいと思っている。
4つ切り程度なら、富士写真フィルム G100の6×7で十分である。
ストロボは500Wが2灯と友人に譲った400Wが2灯あり、アンブレラを使っても光量は十分なはずであるが、
助手がいないと持って行けない。重過ぎる。