シャッター速度の計測 その1 (BRONICA GS-1編)

しばらく前に、オシロスコープを購入したときからの宿題であったシャッター速度の計測を正月の女房のいない隙を狙っておこなってみた。
センサは秋月電子の照度計のセンサー部である。
フォトダイオードはシャープのBS520で、分光特性は560nmにピークを持ち、標準比視感度に近い特性を持つようであるが、今回はあまり関係なく、今回特に重要なのは応答時間特性である。
資料を見ると、負荷抵抗が1kΩの場合に応答時間は2μs、200kΩの場合で500μsくらいらしいが、実際には、どれくらいかちょっとわからない。
また、今回はオシロの温度による自動校正も行っていないことをお断りしておく。
特にノイズ対策も行っていない。
いずれ、ケースに収めてもう少し、マシな格好にしようとは思っている。
で、今回はレンズシャッターのみである。
フォーカルプレーンはその構造上、センサが面積を持つ以上正確な速度を計測できそうにないので、今回は見合わせた。
いずれ、誤差を覚悟して計測してみたいとは思うのであるが...

センサのBS520


秋月電子の照度計キットのセンサ部


ブロニカ GS−1用PG100mm 1/125 f3.5


上記の画面を元に、少し解説をしておくと、Aからシャッターが開き始め、Bで全開、Cから閉じ始め、Dで全閉である。
露光量はA-B-C-Dの積分値なので、A−B、C−Dが直線であるとすると、レンズシャッターの露光時間は、A−Bの中点からC−Dの中点までとなる。
また、参考値としてアサヒカメラ1984年2月号のブロニカGS-1の診断室のデータを記載させていただく。

f16での実測値
基準値(秒)実測値(秒)基準値(秒)実測値(秒)比 (EV)A−BC−D
参考値(秒)
1/512
1/301.2
1.953125ms
301.2ms
+0.761000μs680μs
1/376
1/256
1/204.1
3.90625ms
4.900ms
+0.33900μs600μs
1/216
1/128
1/112.4
7.8125ms
8.900ms
+0.191000μs600μs
1/120
1/64
1/59.5
15.625ms
16.80ms
+0.101000μs600μs
1/62.1
1/32
1/31.1
31.25ms
32.20ms
+0.041000μs600μs
1/31.5
1/16
1/15.8
62.5ms
63.20ms
+0.02


1/15.9
1/8
1/8.0
125.0ms
125.0ms
0


1/8.00
1/4
1/4.0
250.0ms
250.0ms
0


1/4.02
1/2
1/2.0
500.0ms
496.0ms
-0.01


1/2.01
1
1.000
1.0s
990.0ms
-0.01


1.01
2
1.980
2.0s
1.980s
-0.01


1.99
4
3.960
4.0s
3.960s
-0.01


3.98
8
7.900
8.0s
7.900s
-0.02


7.95
16
15.800
16.0s
15.80s
-0.02


15.9

よく使用するf16での計測であるから、まあこんなものであろうか。
1/512あたりが、かなり露出オーバーになりそうであるが、このあたりは、ストロボ用と割り切れば、問題ないし、絞りを開ければ、シャッター速度も、もっと速くなるはずである。



1/128秒 の場合の絞り値によるシャッター速度の変化

有効露出時間A-BB-CC-DA-D
f3.58.1ms1600μs6.7ms1360μs9.66ms
f88.9ms700μs8.3ms400μs9.4ms
f169.2ms400μs8.9ms300μs9.6ms
f229.5360μs9.2ms160μs9.72ms

表をみればわかるとおりA-Dの時間は誤差範囲内であろうか。
計算上の1/128での露出時間は7.8125msであるが、どうも、シャターの開く時間は絞りに関係なく決定されているようである。
ものの本(写真工業出版社 カメラ技術ハンドブック)によれば、絞りを開けた方がA-B、C-Dの時間が短くなるので有効露出時間は短い。とあるが、ま、そのとおりではあるが、少々意味合いが違うような...


今日は、時間がなくなったので、このあたりで...
次回は、FUJICA GS645Professional、コパル for Wistaの1番、3番シャッターあたりを予定している。(計測は既に終了している)



最後に、協力してくれたN君に感謝。