interview

RYOKO HIROSUE 

テレパル/東版(小学館)1996年24号に掲載。

澄んだ瞳と人なつっこい笑顔には、だれもが一瞬で虜に
なってしまう。広末涼子、16歳。 思ったことをズバッと
口に出す『こんな私に誰がした』(フジテレビ系)の
女子高生役は、ふだんの彼女そのものだ。

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  「『あ〜っ、ポケベルの子』とか言われたり
名前を呼ばれたりすると、すごくうれしくて」

幼い子どもの無垢で純粋な笑顔を見ていると、ときどき眩しく感じることがある。年齢を重ねることで自分が失くしてしまった大切ななにかを、その瞳の奥に見つけるからだろうか。
 彼女に会った瞬間、それと同じ感覚を受けた。彼女の名は広末涼子。DoCoMoポケットベルのイメージキャラクターとして一気に知名度を上げ、なにものにも染まっていない”コットン100パーセント”の魅力で、現在は女優として活躍中の16歳だ。

「とにかく小さいころから目立ちたがり屋だったんですよ。テレビに出ればいろんな人から見られるようになるじゃないですか。キレイな人も多いし。皆が花屋さんになりたいとかケーキ屋さんになりたいなんて言ってるころからテレビに出たいって言ってましたね。歌手とか女優になりたいっていうんじゃなく、ただテレビに出たかった。それだけなんです」

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ちょっと茶色っぽい澄んだ目をそらすことなく、弾むように話す彼女は、ブラウン管から受ける元気な”ヒロスエ”の印象そのまんま。自分のチャームポイントは”瞳”と言うのもうなずける。それを意識して、彼女の写真にはカメラマンをジーッと見つめるものが多いのだろうか。

「特別、意識してるってことはないですよ〜。よく、喋るときにすぐ目をそらす人っているじゃないですか。それって、すごく苦手なんです。カメラも一緒ですね。写真撮られるのがすごく好きなんですよ。だからですかねぇ(笑い)」

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「自分でも、もうビックリで(笑い)。私の意識の中では、オーディション段階を飛び越してテレビに出ている姿を想像してはいたんですけど、実際にオーディションを受けるときにお母さんと話をしていて『人生そんなに甘くないからねぇ』とか言ってたのに。いつのまにか夢見たとおりになっちゃったから。なんだか不思議な感じがしますよね。
 この世界に入ったといっても、どこからが芸能人って呼ばれるのかわからないじゃないですか。たとえばCMに一本出ても、私って芸能人なのかな?って。そういう気持ちがすごくあったんです。それが、ちょうど『木曜の怪談 魔法のキモチ☆』というドラマの撮影に入ったころにポケベルのCMが流れ始めて。あれですごく名前が知られたみたいなんです。それまでは電車に乗っててもなにも言われなかったのが、『あ〜っ、ポケベルの子』とか言われたり名前を呼ばれたりすると、すごくうれしくて(笑い)。どれだけの人が自分を知ってくれてるのかわからないですからね。それがいつのまにか・・・・・・不思議ですよね」

そんなヒロスエの小学生時代は、スイミングスクール、エレクトーン、習字などのお稽古ごとを積極的にこなす日々。 中学入学と同時に陸上部に所属し、2年のとき出場した地元の大会ではハードルで3位に入賞。3年生ではついに県大会に出場し、ハードルとハイジャンプで2位に輝く。高知で過ごした日々は、まさに元気はつらつな美少女ぶり。そんな折、たまたま目にした雑誌に載っていた『第1回クレアラシルぴかぴかフェイス・コンテスト』の記事が彼女の運命を大きく変えることとなる。幼いころから”18歳で芸能界デビュー”を密かな夢として抱いてきた彼女に、チャンスは思いがけぬ早さで訪れたのだ。
 オーディションへの応募は初のチャレンジながら、彼女は同コンテストで見事グランプリに輝き、同社のCMで芸能界にデビュー。わずか14歳、中学2年のことだった。その後は青年コミック誌のグラビア、前出のポケベルのCM、ドラマへの出演で人気は急上昇。いま最も注目を集めるアイドルへと、スターダムを一気に駆け昇ってきた。

「喋るとき目をそらす人、いますよね。
それって、すごく苦手なんです」

ある部分では現在の人気に戸惑いつつも、多くの人に知ってもらう、声をかけてもらうのがうれしいという。ただし彼女は現役の女子高生。人気があるのはうれしいが、困ってしまうこともあるとか。

 

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「(街を歩いていて)名前を呼ばれたりすることは、すっごくうれしいんですよ。でも、ひとりで私服で遊びに行ってるときとかならいいんですけど、友達と一緒のときは迷惑かけちゃうし・・・・・・。制服を着ているときは写真に撮られるのも絶対ダメなんで。だから、せっかく声をかけてくれてるのに、なんだか悪くって。握手したりお話ししたりしたいんですけどね。そうもいかないから、芸能人ってたいへんなんだなぁって思ったり(笑い)。
 同じクラスに仲良しの友達が4人いるんですよ。いつも一緒にいるんですけどね。その子たちに言わせると『なんで気づくんだろうね? 雑誌とかに出てるときとは全然違うのに』って。でも、全然気づかれないのも寂しいから私としてはうれしいんですけど、『こんなに違うのにね』って友達は言うんです(笑い)」

 仲のいい友達のひとりが
コギャルになっちゃって

現役女子高生のヒロスエは、いわばコギャル世代。しかし、彼女は世間一般がイメージするコギャルとは対極にいる。

 

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「仲のいい友達の中にひとりコギャルっぽい子がいるんです。最近、コギャルになったんですけどね(笑い)。この間も(日焼け)サロン行って、すごく黒く灼いてきたりして。それで茶髪にしてピンクの口紅塗って、眉毛を細くしてって感じなんです。『あんた、その口紅もう少し抑えたら?』って私が言うと『それがコギャルなのよ〜』って(笑い)。で、『コギャルになりたいの?』って聞いてみたら『そう。コギャルになりたかったの』とか言うんですよ(笑い)。
 だけど、その子、すごくカワイイ子なんです。だから大人が言ってるようにコギャルがすべて悪いとは思わない。迷惑かけてるなら別ですけどね。あの子たちにはあの子たちなりのファッションがあるわけで・・・・・・。自分では、ああいう格好したいとは思わないですけど。だって、バカっぽいじゃないですか(笑い)。友達にも『バカっぽいじゃん』って言うんですけど、コギャルでいいんだって(笑い)」

意外にも、思ったことをハッキリと口にする性格らしく、何事にもくじけない性格のため、人から”典型的なO型でプラス思考”とうらやましがられることも多いとか。
 そんなバイタリティーのかたまりであるヒロスエが、いま全力投球しているのが女優業。ドラマ『こんな私に誰がした』(フジテレビ系、毎火夜21:00〜)で、主演の筒井道隆と武田真治のお笑いコンビがアルバイトをしているショーパブの娘、山下あかねを熱演中だ。

「ちょくちょく店に顔を出しては『もっと面白い話をしなさい』みたいな。ふたりがなにか言うたびにいつも点数をつけるんですよ。『2点』とか。厳しく、ストレートに物を言う子ですね(笑い)」

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CMには出演した。ラジオのパーソナリティーもやっている。ドラマの主演も経験したし、写真集も発売した。残るは映画出演と歌手デビューだけか。

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「歌はすごく好きなんでCDを出してみたいって気持ちはありますけど、そんなに急いでるわけでも・・・・・・。まずボイストレーニングをやってみたいですね、映画もそう。でも一応、夢はクリアしちゃってるんですよね、テレビに出るってことは。だから、いますごく楽しいんですよ。いまやってることを楽しんで、満足いくようにできればいいかなぁって。
 ただ、トントン拍子に進み過ぎちゃって・・・・・・。周りの人がうまくフォローしてくれてるんで、逆に私が後れをとらないようにしないと(笑い)」

話を聞けば聞くほど素直で良い子だということがわかるが、また別の形容詞がヒロスエに付いたとき、女優としてさらに上のステップが待っているはず。二十歳を過ぎて”大人の雰囲気を身につけた”ときのヒロスエが、いまから楽しみだ。 rh244.jpg (6952 バイト) PROFILE

'80年7月18日生まれ、高知県出身。身長160cm、B77W56H82。血液型O型。
'94年8月、P&G第1回『クレアラシルぴかぴかフェイス・コンテスト』グランプリ&イメージキャラクターとしてデビュー。NTT Do Co MoポケットベルのCMで一躍脚光を浴びる。
主な出演番組は『沙粧妙子最後の事件』『木曜の怪談 魔法のキモチ☆』『将太の寿司』など。

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