いま、民主主義社会にとってもっとも大切な「表現の自由」が、戦後最大ともいうべき危機にさらされています。
政府は「個人情報保護法案」と「人権擁護法案 」を国会に提出して成立を目指しており、「青少年有害社会環境対策基本法案」を国会に上程する動きもあります。
これらのいわゆるメディア規制3法案に共通するのは、本来ならば公権力による個人情報の不正な使用や、人権の侵害こそがもっとも厳しく規制されなければならないのに、それを棚上げにして、市民や民間やマスメディアの責任だけをことさら問題視するという発想です。
3法案が成立すれば、「国民の知る権利」に奉仕する「言論報道の自由」が不当に制限され、政治や行政のあり方を監視するマスメディアの役割が果たせなくなるだけではありません。
新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどあらゆるメディア、さらには市民一人ひとりの表現活動までもが官庁の監督下におかれ、規制されかねないのです。
個人情報の保護、人権の擁護、「有害」な情報からの青少年の保護は、私たちの社会が全力を挙げて対応すべき課題です。しかし、それは公権力がメディアを規制することによってではなく、あくまでメディアの自主的な規制、市民と向き合う自律的な取り組みによって実現されなければなりません。
私たちは、メディア規制につながる3法案の成立を認めることはできません。自由な言論、自由な表現こそが健全な民主主義社会をつくる原動力です。私たちの主張に耳を傾け、3法案の成立を阻止するために、みなさんのお力をお貸しください。
2002年4月18日(木)
|