ワクワク・どきどき初めてのアルコールランプ

〜だから,ぬれぞうきんが必要なのです。

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zikken.jpg (17422 バイト) 4年生の理科で「アルコールランプの使い方」を学習する。「火を使う」ということだけでも,子供たちはワクワクドキドキである。

初めてアルコールランプの使い方を練習する時間に,いつも私が行っている教師実験を紹介する。今年で4年生は4回目であるが,いずれの場合も「ワーッ」とか「オーッ」とか「すごい」など,子供たちから歓声が上がる楽しい教師実験である。

 

 

 

@教科書を使い,一通りアルコールランプの使い方を説明する。アルコールランプの使い方については国語の教科書(東京書籍,4年下)の説明がとてもわかりやすい。

A教師の実験机の周りに,子供たちを集める。

Bまず,次のように聞く。

「アルコールランプをつける練習をします。用意しなければならないものは何ですか?」

 

子供たちは,アルコールランプ・マッチ・燃えカス入れ・アルコールなどと口々に言うので,一つ一つ確認する。

 

C次のように子供たちに話す。

「これから,理科の実験ではアルコールランプなど火を使う実験が多くなります。実験のときにふざけたりするととんでもないことになります。ふざけていてアルコールランプが倒れたらどうしますか?。たいへんですね。アルコールがこぼれてしまいます。こぼれたアルコールに,もし火がついたらどうなりますか?」

 

子供たちは,「ふざけたらあぶない」とか「火事になる」とか「やけどする」など口々に言うだろう。

 

Dおもむろに燃料用アルコール(メタノール)を取り出して

「これは,アルコールランプに入れるアルコールです。ふざけて実験をしていてこぼすと大変です。」

と言って,机の上にアルコールを少しこぼしてみせる。

(直径20センチ以内,こぼしすぎると当然のことながら危険)

 

E子供たちはさまざまな反応を見せるが,それは無視して

「ふざけてアルコールがこぼれると,とっても危険ですね。もし,これに火がついたらどうなるでしょう。」

と言って,おもむろにマッチを取り出し,机の上にこぼしたアルコールに火をつける。当然,炎が上がる。

 

机の上にアルコールをこぼしただけで子供たちはびっくりぎょうてんである。当然,そのアルコールに火がついたら,おもわず後ずさりする。
 

F机の上の炎を指差しながら

「もしも,こぼれたアルコールに火がついてしまったらどうしますか?・・・・・・・・

・・・・・・・・こうします。」

と言って,ぬれぞうきんで,さっとふく。 みごとに火は消える。

 

mihon.jpg (12986 バイト) 子供たちは,またまたびっくりぎょうてん。

歓声とともに,おもわず拍手がおこる。

もう一度やって,実際に子供にぞうきんでふかせてもよい。

 

G次のように話す。

「アルコールランプを使う実験の準備物の中に,ぬれぞうきんがありますね。ぬれぞうきんさえあれば,もしものときもあわてることはありません。アルコールランプは,正しい使い方で落ち着いて実験をすれば,まず,事故が起こることはありません。万が一,今のようになったとしても,ぬれぞうきんで落ち着いて処理すればやけどをすることもありません。だから,ぬれぞうきんは必ず準備してください。 今は,みんなの勉強のために先生はわざとアルコールをこぼして見せました。危険なので,絶対みんなはまねをしてはいけません。これからアルコールランプを使って,安全に,しかも楽しく実験できるようになるために,今日はアルコールランプの使い方をしっかり勉強してもらいます。」

このあと,アルコールランプに正しく火をつけるやり方を教師が演示した後,グループごとに練習に入る。

この「こぼしたアルコールに火をつけ,ぬれぞうきんでふいて消す教師実験」は,子供たちにとってかなりインパクトが強いようで,以後実験のときは必ずといってよいほどぬれぞうきんを用意するようになる。実験のときのぬれぞうきんは,実験が終わったあとに机の上をきれいに拭く習慣にもつながる。ぜひ,この機会に指導したい。

 

余談ではあるが,アルコールランプを使う実験の前に,ぜひ「マッチを正しくする練習」をさせてほしい。今年のクラスの場合,今まで1回もマッチをすったことのない児童が約3分の1もいた。考えてみれば,今家庭にマッチがない家も多いのかもしれない。チャッカマンなどのライターがマッチの代わりとなっているのだろう。火をつけたマッチのじくを下に向け,「熱い!」という子も少なからずいるかもしれない。

「マッチを正しくする」というのは,「アルコールランプを正しく使う学習」以前の問題であるが,これが出来ないことには,とうていアルコールランプは正しく扱えない。

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