(3)  神社編(Part2)せみの幼虫探し

夏の神社は,せみの幼虫を採集する絶好のポイントです。

せみの成虫の寿命が約2週間なので,8月後半にはそこいらで鳴いているせみも少なくなりはじめることから,8月初旬が幼虫採集の適期だといえます。7月25日〜8月10日位がベストでしょう。

8-001.jpg (22198 バイト) 夏の神社はせみ捕りの絶好のポイントです。

網と虫かごをもって,いざ,出発。

oyazi0020.jpg (21648 バイト) せみのよく鳴いている木の下が,せみの幼虫を見つけるポイントです。

せみの幼虫が地上へ出た後の穴が目印になります。

時刻は,午後5時過ぎがベストです。あまり早い時間は見つけにくいと思います。天気にも左右されます。必ず晴天の日の夕方に出かけます。

oyazi0011.jpg (23437 バイト) 指の太さくらいの穴は,幼虫がもう出てしまった穴です。幼虫を探すには,写真にあるように直径5ミリほどの小さな穴を探します。

地面に顔を近づけて丹念に探します。目がなれてくればすぐに見つけられるようになります。

日中はこの穴がさらに小さいので,見つけるのはかなり難しい。夕方ならば,中にいる幼虫が徐々に穴を広げ始めるので見つけやすくなります。

oyazi0007.jpg (24275 バイト) 運がよければ,こんな場面にも出くわします。

これは,幼虫がまもなく地上に出るぞと準備しているところです。

こんな写真,図鑑にも載っていないでしょう。

貴重な場面です。

oyazi0005.jpg (21895 バイト) さっき見つけた5ミリほどの穴を,松の葉などを使ってていねいに崩して広げます。指の先が入るようになれば,指を使って穴を広げます。この時は,できるだけ穴の中に土が落ちないようにします。

幼虫は写真のように松の葉を使って釣り上げます。穴の中に松の葉を差し込んで静かに動かしていると幼虫が松の葉をつかんできます。「つかんだな」という感触があったら,静かに松葉を引き上げます。みごとに幼虫がつれます。

1度でだめなら,何度もこれを繰り返します。

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釣り上げたばかりの幼虫。

今まで,せみの抜け殻しか見たことのない子にとっては感動ものです。あのせみの幼虫がヨチヨチと歩いているのですから。

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自分で幼虫を釣り上げて大満足のしょうごくん。

なお,このときに「幼虫は絶対に強くつかんではいけない,あまり触りすぎても成虫になれなくなる」ということも教えておきます。幼虫捕りの楽しみは,このあと家に帰ってからの「羽化の観察」が第一の目的であり楽しみでもありのですから。

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捕った幼虫は,網に入れて持ち帰るとよいでしょう。

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家に帰ったら,幼虫はカーテンにくっつけます。レースのカーテンがつかまりやすくて良いようです。

本能なのでしょうか,幼虫はカーテンをどんどん登っていきます。

今まで登っていた幼虫が動きを止めて,じっと動かなくなったらいよいよ羽化の始まりです。

なお,部屋の電気は特に消さなくてもいいようです。幼虫は,あまり気にしないようです。晩ご飯を食べながらみんなで観察できます。午後7時くらいから羽化し始める幼虫が多いようです。

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この夏は,ミンミンゼミの幼虫もたくさん見つけることができました。羽化したての羽は,透き通ったガラスというより,すりガラスのような感じです。

我が家のしょうちゃん。もう寝る時間だというのに,まだじっと見ています。

次の日の朝,ちゃんと成虫になったせみは逃がしてやります。6〜7年後,我が家の周りで鳴いているせみの中には,この夏,神社から捕ってきたせみの子孫がいるかもしれません。

 

 

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