(4)工事現場で化石探し
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近くの公園の裏に,新しく造成している工事現場を見つけました。この公園でも化石が見つかるので,もしやと思って観察にでかけました。思った通り,たくさんの化石が見つかるようです。工事の邪魔にならないように,土日に出かけるのがベストでしょう。土日ならば工事はお休みの場合が多いのです。 | |
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造成工事のために新たにできたがけ。地層の観察には最適です。(これでも私は大学時代地学研究室に在籍していました。) 新しいぶん,運が良ければ良い状態の化石を見つけることができます。
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地層の観察には,多少の危険が伴います。特にこのようながけには注意が必要です。化石採りがミイラになってはしゃれにもなりません。特に子供が一緒の時には「切り立ったがけの下には行ってはいけない」ということをきちんと教えます。現場できちんと教えることによって,子供にも「危険な場所を見分ける能力」がついてきます。 なお,工事現場の地層を観察するときには,事前に現場の方に断っておくと良いでしょう。くれぐれも「立ち入り禁止」の所には「勝手に入ってはいけません」 |
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がけそのものを掘るよりも,下に転がっているこのような石(土の塊)を見つけて割るほうが化石は良く見つけられます。造成地ではがけから削り取った土を固めて積んである場所があるので,そこを探したほうが効率的です。 なにやらあやしい土の塊を見つけました。ハンマーで叩き割ってみると・・・・・・ |
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おみごと。二枚貝の化石が見つかりました。 このあとは,化石を慎重に取り出します。ここの地層はやわらかいので,周りを少し多めにとって化石をつけたままにするのが良いでしょう。 |
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自分の力で化石を掘り出し,すっかり考古学者気分の息子たち。 ここで見られる地層は,おそらく第四紀更新世のものでしょう。(仙台の竜の口層よりも少し新しい時代の地層です)
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この日見つけた化石です。ほとんどが二枚貝でした。4種類の二枚貝が見つかりました。種類については,まだ特定していません。 |
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子供には,簡単な「化石のクリーニング作業」を教えます。難しいことではありません。やわらかい絵の具筆で,ついている土を払うだけで立派なクリーニング作業です。掘り出した化石も見違えるようにきれいになります。 「お父さん。今日の崖は,本当に宝の山だね。」 なるほど,うまいことをいいます。 今日の化石は,確かに何百万年前の歴史を語る宝物なのです。乱暴に扱ってはばちがあたります。 このあと,化石をとった場所,日付を記録して適当な箱に保存します。いくつかは部屋のインテリアにもなっています。 |
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今回は「化石採集」ということを中心にまとめましたが,地層観察では化石採集よりも,むしろ地層そのものの丹念な観察のほうに重点を置きます。つまり,どういう順序で重なっているのか。色は?。硬さは?。れきは含まれているか?。などなど もう一つ忘れてはならないことがあります。それは,化石採集におけるエチケットです。 (1)むやみやたらに掘り散らかさない。(特に崖そのものを掘る時には) (2)ハンマーを振るときには,まわりに十分注意する。 (3)危険な場所,入ってはいけない場所には絶対に近づかない。 最低このくらいは守らなければなりません。もちろん,大人も子供もです。 そうすれば,きっと化石探しは「何より素敵な宝探し」になるでしょう。 |