★生田敬太郎

 なんとなく名前は知っていたのですが、やはり実物を見たのはCD発売記念ライブの時でした。たった一曲聞いただけなのに強烈な印象を持ちました。握っているだけでチョーキングしているようなギター。ソウルシンガーのような歌声。それまで聞いたことのない和製ソウルだと思いました。
 生田敬太郎はエレックレコードで活躍した人です。エレックレコードはURCレコードに続く元祖インディーズのはしりです。私の印象としては吉田拓郎のレーベルという感じで、当時はあまり好きではありませんでした。また、「ケメ」という人もいました。かわいい男の子で、(私はしばらく女の子だとばかり思っていたのですが、)およそプロテストソングとしてのフォークソングからはかけ離れていたように思います。
 稲生座でのライブの時にちょっとだけ話したんですが、生田さんはそんな私の思いを知ってか知らずか、「自分の音楽はダサイ。」と言いました。「しかし、それはオリジナルだからダサイんだ。URCの連中みたいに真似をしていたわけではないからね。」なるほど、と私は思いました。確かにURCレコードはアメリカのフォークソングを真似していたといえなくはないですね。それが全くダメともいえないのですが、第二世代として生まれたエレックは「ダサイ=未熟」という部分もあるけれども、すべてがオリジナルなんだぞ、という自負を持っていたんですね。そんな敬太郎さんの背景を知って、彼の音楽に対する姿勢が理解できました。
 生田敬太郎さんはたぶん子供みたいなところがあって、それゆえに唄える純粋なソウルが心に響くのではないでしょうか。野沢師の訳した「WHAT A WONDERFUL WORLD」は絶品でしたね。野沢師によると歌詞が目茶苦茶だったというのですが、いやいや、なかなか素晴らしいものだと思います。

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