★かしぶち哲郎

 私はかなり不勉強で、ムーンライダースのことは知っていたのですが、かしぶち哲郎さんのことは野沢師のライブで聞くまであまりよく知らないでいたのです。だから初めて唄を聞いた時は非常に新鮮な感動を覚えたわけです。
 かしぶちさんの唄に対して最初に感じたのは「キザ」さでした。でもそれはどうやら先天的な「キザ」であるように感じたのです。ステージ上で野沢師とやりとりするかしぶちさんは決して厭味なきざではなく、どこか人のいい気弱さを感じさせるのです。この人は多分高校の頃からどこか「シュッ、」としていたのではないだろうか。そして作品の中の「キザ」さもそんな中から生まれてくるので、ある種のノスタルジックな感傷を伝えているようにも思います。唄によってはうまく入り込めない作品もあるのですが、全体にかしぶちさん以外には表現できないあのヨーロッパの香がする唄の世界が魅力的なのであります。

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