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マイケル オーウェン

1979年12月14日、イングランド・チェスタートン出身。

'94年、イングランドサッカー協会の推進する強化育成スクールに入る。

'98年、今世紀最年少でイングランド代表入りし、フランス・ワールドカップに出場。

ルーマニア戦で、W杯史上2番目の若さでゴールを決めた。

昨季、プレミアリーグ得点王も獲得。リバプール所属。

175p、65s  『Number 455』 より

 

 

ワンダーボーイ

『将軍』・『キング』・『神様』・『天才』・『爆撃機』・『皇帝』・『フライングダッチマン』....................................

人々を酔わせるプレイヤーには賞賛の念を持ってあだ名が付けられる。あだ名が付けられるのは多くの場合スーパースターの証明である。その名誉な称号を若くして得た少年がいる。

『ワンダーボーイ』 信じがたい事をやってのける少年

人々は彼のことをこう呼ぶ、

'98年フランス大会、対アルゼンチン戦で彼はそれまで隠し持っていた牙をむき出しにした。彼はこの大会その場面まで、自分のトップスピードを見せることなく試合を運んでいた。

そしてチャンスは訪れた前に空いたスペースを彼は見逃さなかった。一気にトップスピードに持っていき、歴戦の勇者であるはずのアルゼンチンディフェンダー二人を置き去りにして、ゴールを奪った。

アルゼンチンは彼の牙の本当の威力を高い代償を払って知ったのだった、彼はその生まれながらに持つスピードとそれを最大限に生かす策略によって、'98年大会のベストゴールといわれるこのゴールを演出した。

それは、あの『天才』がやってのけた五人抜きに勝るとも劣らぬ信じられぬ光景だった。奇しくもかれは、イングランドの先輩達の『天才』への借りを返すことになったのだ。

スーパースターの条件

彼は、その若さにしてすでにスーパースターたる条件を兼ね備えている。

愛称を持って呼ばれることがその証拠だ。

そして何よりも若い、若いということは可能性を持っているということだ。これから過去のすべてのプレイヤーを越える選手に成長するかもしれない。何しろ彼には、W杯で最高のゴールをたたき込んだ経験をすでに持っているのだ。

しかし、反面可能性は裏目に出ることもある。

特に、イングランドではマスコミは、彼のほんの些細なミスを探し罵るだろうし私生活も徐々に人々にさらされ、さらに多くの人々が彼に助言をするだろうが、彼はそのあまりに多すぎる助言を取捨選択しなくてはならない。

さらに、イングランド特有の悪癖 Pub通いがある、イングランドではビールをとにかく飲む、それはよき伝統なのだが彼のようにスピードとキレで勝負するタイプのプレイヤーにはあまりありがたくない伝統だ。

とにかく、先に挙げた『天才』も若くして成功を収めるが、その後社会とのバランスがとれなくなり自滅していく,彼が早熟の天才で終わるのかそれともさらに偉大なプレイヤーになるのかそれが我々を楽しませてくれるのも事実だ。

良きにしろ悪きにしろ、若くして成功すること............................

これもスーパースターに、必要な条件の一つではないだろうか.....................


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