ラモス瑠偉
1957年ブラジル、リオデジャネイロ州生まれ、77年に来日し、日本リーグ2部所属の読売クラブ入り。
日本リーグ時代は210試合に出場して得点王2回、アシスト王3回と得点力を秘めたゲームメーカーとして活躍。
Jリーグ開幕後も初年度からの連覇に貢献した。Jリーグ通算127試合出場、9得点。181p、69s。
『サッカーマガジン 1998 No.692』
二つの祖国を持つ男
一方で大和魂を語り、もう一方でカリオカを名乗る男、ラモス瑠偉。古くから移民などが盛んな世界では二つの代表権を持つ人間など珍しくない。しかしその一方が日本国籍というのは驚嘆に値する。日本国籍というのは取得が非常に難しいからだ。
彼以前にも、セルジオ越後やジョージ与那城など、日本にサッカーを伝えでくれた先人達はいる。しかし、彼にはそういった先人達より優れた実績がある。それはプロサッカーを日本というサッカー更新国でスター後させることに貢献したということだ。
スーパースターの条件
彼の持ち味は、鋭いグラウンダーのパスである。
緑のピッチに細い糸を引くようなパスを出す。彼のサイドキックは、サイドバックとしてそれほど足の速くない堀池や都並までに、一流のオーバーラップを完成させる。
もちろんこれは往年のラモスで彼には、本格派のストライカーをこなしていた経験もある。読売クラブという技術者集団が生み出すショートパスのサッカーは日本にも新しい時代がくることを感じさせたものだった。
そして彼は誰よりも熱い魂を持っている。
その熱い魂故に、技術者集団を解体したフロントに対する怒りから移籍を繰り返し、その魂故に、本当のことを言葉を飾らず語り解説者としての道も閉ざされた。
しかし彼にはまだ日本にサッカーを根付かせるという仕事が残っている。現在、コーチの資格を取るために勉強中だという、いつの日か彼が率いる日本代表を見ることができるかもしれない。
サッカー伝道師の戦いはまだ終わらない.........................................
誰よりも熱いサッカーに賭ける情熱
これもスーパースターに、必要な条件の一つだ。