ヒメヌマエビ

 黒潮の影響を受ける地域に棲んでいる,小型のヌマエビです。色彩パターンに変異が大きく,同じ川の同じ場所に,横縞のものと縦縞のものと2型が混在しています。濃い赤色がきれいなヌマエビですが,砂利主体の私の水槽ではどういうわけか色が薄くなってしまいます。物陰に隠れていることが多く,あまり動き回らないヌマエビです。餌をあげた時だけ出てくる印象があります。歩脚などわりと‘か細い’感じがします。以前に高知県(足摺岬周辺)で採集した個体を他のヌマエビ類と混在飼育していた時には,一番先に姿を消してしまいました。この種類だけ単独で飼うか,水草をかなり多く入れるなど,なるべく隠れ場所を多くしてあげるべきでしょう。

 本州・四国では数が少ないですが,奄美以南ではまだまとまって採れるようです。以前住んでいた高知県西南部でもたまに採れる程度でしたが,1カ所だけ足摺方面の河川で,そこに行けば必ず採れるという場所がありました(ただし10年以上前の話なので,今はどうなっているか...)。近所の人がたまに網で掬って食用にしていたようです。ちょっともったいないような気がしました。

産地別写真

奄美産(購入個体)

 奄美産ヒメヌマエビとして売っていたものを2004年春に購入しました。色がきれいなせいか,日本産淡水魚も扱っている観賞魚店などでは,わりと定期的に入荷しているようです。底砂を使わない条件で飼っていましたが,赤い色が落ちませんでした。もしかしたらシェルターとして入れてある植木鉢の色と関係があるのかもしれません。これらの個体は初夏までは順調に生きていたのですが,夏の暑さを乗り切れませんでした。南方系のエビだからといって,必ずしも暑さに強いというわけではないようです。

 次は2007年8月に購入した個体です。どれも体長1cmほどで,卵を持っている個体はいませんでした。水草に掴まっていることが多いです。家に持ち帰った時点でほとんどの個体が水草に付いていました。

 水槽に入れてからは赤が濃く出るようになりました。昼間は隠れていることが多いようです。たまに表に出ている場合でも,たいていマツモか流木などに付いています。

 60cm水槽に他のヌマエビ類と一緒に入れていた個体は,いつのまにか姿が見えなくなってしまいました。同様に物陰の好きなトゲナシヌマエビとの競争に負けたのかもしれません。この種だけの単独飼育がよいようです。

ヒメヌマエビ(静岡県産)

 (作成中)

ヒメヌマエビ?(購入個体)

 5年ほど前に都内の熱帯魚屋でレッドカラーシュリンプとして売られていたエビです。たぶんこれもヒメヌマエビじゃないかと思っています(間違っていたらご指摘下さい)。少なくとも色形や性質はよく似ています。最初はもっと赤褐色をしたカラフルなエビだったのですが,水槽に入れたら色があせてしまいました。水槽内では1年近く生きてました。