冬に見られるもの

 冬に見られるものは、植物や動物だけではありません。北国ならではの土地や気候によって見られるものがあります。そのいくつかを上げていきます。

 霧氷

  晴れて気温の下がった朝、木の枝が白くなっていることがありますよね。これは、霧氷といわれるものです。霧氷は樹霜と樹氷に分けられます。

樹霜…川の近くなどで空気中の水蒸気が枝につき霜の結晶となったもの。霜の結晶が成長したものですが、雪の結晶と同じで、温度や湿度により結晶の大きさが変わる。

   

樹氷…山頂付近の樹木などに雲や霧が衝突してできる。不透明な白い氷が風上側に成長する。その形からエビのシッポとも呼ばれる。日が当たると数時間で解けてしまい、風が吹くと飛んで行ってしまいます。天気の良い日が続いて風が弱いときは、明け方にできる確率が高いです。私は今年、手稲山の山頂で見ました。スキー場で見たのですが、リフトの上からも見ることが出来ました。いつも見上げているものが、目の高さで見られてちょっと感激です。

 

 雪の結晶

 気温が高いときや吹雪のときは条件が悪く、氷点下5〜10℃くらいで風の無いときに形の良い結晶ができるみたいです。結晶は、よく六角形と言われますが色々な形があります。結晶ができたときの上空の気温によって変わります。結晶の色は白ではなく無色透明です。雪が白く見えるのは、結晶の凹凸が光を散乱させているからです。

 ダイヤモンドダスト

  気温が氷点下15℃以下に冷え込んだ日に起こる自然現象です。見たことのある人は少ないかもしれません。私は、内陸の街に住んでいた頃、天気の良い日に見たことがあります。晴れていて風が弱い日に見られます。ダイヤモンドダストの正体は、大気中に含まれている水蒸気が、急激な気温の低下で氷の結晶となった「氷晶」と呼ばれるものです。大きさは0.1mmととても小さく、六角柱や六角板の形状をしています。その平らな面に陽光が反射して幻想的に輝くのです。雪の結晶も最初の姿はこの氷晶で、地上に降りてくる間に成長して上記の形になります。

 川の近くは空気中の水蒸気が多いので、霧氷ができた朝に一緒に見られることがあります。ダイヤモンドダストに強い光が当たると、氷晶による屈折や反射が原因で、明るい光の柱が見えることがあります。これは光柱呼ばれる現象で、有名なものに、太陽から地表方向出にできるサンピラー(太陽柱)があります。また、ナイター照明の光によっても現れます。

<参考文献> 若林浩樹 ニセコ花とせせらぎの道

文 C.M

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